淡水域における三者系生物間情報化学物質の機能と構造の解明
Project/Area Number |
04J07071
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Research Fellow |
高原 輝彦 京都工芸繊維大学
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 情報化学物質 / カエル類幼生 / ケミカルコミュニケーション / ニホンアマガエル / ツチガエル / ギンヤンマ幼虫 / 防御行動 / 三者系 / 被食回避行動 / ニホンアマガエル幼生 / ツチガエル幼生 / 化学分析 / 生物検定 / 捕食者回避行動 / 捕食被食関係 |
Research Abstract |
カエル類の幼生は、捕食者の匂い(情報化学物質)を感知し、行動や形態を変化させて被食を回避する。しかし、その情報化学物質の機能と構造はほとんど明らかにされていない。本研究における達成課題は、1、情報化学物質によるカエル幼生の行動変化を数値的に指標化する生物検定法の確立および情報化学物質の精製と単離、2、三者系における情報化学物質を介した生物間相互作用(ケミカルコミュニケーション)の効果の解明、3、幼生の防御行動のメカニズムの解明である。本年度に明らかになった知見を以下に記す(課題2、3は昨年度までに達成済)。 1、ギンヤンマAnax partenope juliusの幼虫(ヤゴ)の飼育水を化学的に処理して、ニホンアマガエルHylajaponicaとツチガエルRana(Rugosa)rugosaの幼生に与える生物検定を行ない、カエル2種の活動時間を減少させる防御行動を誘導するヤゴ由来の情報化学物質の性質を調べた。その結果、ニホンアマガエルは脂肪親和性の性質をもたない難揮発性の化学物質に対して反応を示した。一方ツチガエルは、低脂肪親和性で難揮発性の化学物質に対して反応した。このことから、ヤゴ由来の情報化学物質によって、カエル2種は類似した防御行動を示すが、その行動を誘導する化学物質は異なる性質をもつことが明らかになった。これまでの淡水域における捕食者と被食者のケミカルコミュニケーションに関する研究は、ほとんどが情報化学物質に対する被食者の防御反応についての生態学的なものであった。しかし、本研究では情報化学物質の化学的な特性にまである程度踏み込んだ検討を行なった。今後は高速液体クロマトグラフ(HPLC)などによる更なる情報化学物質の精製を進め、核磁気共鳴法(NMR)などを用いて構造決定を行なう必要がある。
|
Report
(3 results)
Research Products
(1 results)