植物の窒素利用戦略における系統内変異を表現する遺伝的制約と生態的制約の評価
Project/Area Number |
04J07224
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
中村 隆俊 北海道教育大学, 教育学部釧路校・ポスト・ドクター
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 窒素生産性 / 窒素滞留時間 / ハンノキ / 窒素利用戦略 / 養分環境 |
Research Abstract |
本研究では、環境変異に対する植物の分布機構と窒素利用戦略の挙動機構について、生態生理学的な視点からの統合的解釈を目的としており、とくに窒素生産性と窒素滞留時間について、環境変異に沿った種内・種間・生活型内・生活型間の挙動を明らかにし、さらに室内操作実験で両パラメータにおける表現型可塑性の評価を目指している。 研究初年度となる今年度は主にフィールドでの調査が予定され、北海道東部地域を中心とした観測プロットを研究計画に従い設置したが、北海道各地に記録的な被害をもたらした台風18号の影響により、植物体のサンプリングにおいて著しい支障をきたした。イソツツジ・ホロムイツツジ・ヒメシャクナゲなどの小中型植物については、強風により大多数のリターおよびリタートラップ自体が消失した。 唯一ハンノキに関しては、被害が比較的軽微に留まり、予定した調査を遂行することができた。ハンノキ種内の挙動として、より多くの窒素を体内に取り込める環境下では、窒素生産性が低く窒素滞留時間が長くなる傾向が認められた。また、窒素吸収量が明らかに制限されている環境下では、高い窒素生産性が示され、短い窒素滞留時間が認められた。一般に、富栄養環境に優占分布する落葉植物は高い窒素生産性もち、貧栄養環境に優占分布する常緑植物は長い窒素滞留時間をもつことが生活型間の挙動として知られている。従って、養分環境に沿った窒素生産性・窒素滞留時間の種内挙動は、これまで提唱されてきた生活型間での挙動と全く逆になることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)