ヘテロ2量体を用いた双頭ミオシンVの協調した働きによる運動機能の1分子観察
Project/Area Number |
04J07647
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
有賀 隆行 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 特別研究員(SPD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥9,000,000 (Direct Cost: ¥9,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 1分子観察 / ミオシンV / 光ピンセット / 一分子生物学 / 生体分子モーター / エネルギー変換 / コイルドコイル / 1分子生物学 |
Research Abstract |
ミオシンVは、その2つのモータードメインが交互にATPを加水分解し、協調した働きをすることでアクチン線維上を数μmに渡り連続的に運動する。本研究は、このミオシンVの変異体を1分子観察することにより、その仕組みの解明を目的として研究を行った。 昨年度までは、主に1分子観察のための顕微鏡装置開発と改良を行った。この新しく開発した顕微鏡を用いてミオシンVの運動を観察することにより、蛍光性ATPを用いた加水分解の結合解離過程の可視化と、運動発生を同時に計測することに成功した。 本年度は、再構成ミオシンVを用いて力・変位発生の詳細な1分子解析を行った。その結果、ミオシンVの連続的な運動機能を最大限に発揮するためには、モータードメインだけでなく、その後ろ側のコイルドコイルドメインも重要な役割を担っていることを新たに見出した。即ち、運動機能とその制御に蛋白質構造の自己組織化が直接関っていることを示唆する。この成果は、第44回日本生物物理学会(沖縄)および51st Annual meeting of Biophyscal Society(Baltimore, USA)に於いて発表を行った。 それと平行して、いくつかのミオシンVの加水分解変異体の作製も行った結果、その運動機能を野生型よりも向上させる変異体を新たに発見した。この成果は日本分子生物学会2006フォーラム(名古屋)に於いて発表を行った。 以上の結果から、ミオシンVの運動機能発現に於いて、蛋白質の全体構造の自己組織化と、モータードメインの加水分解部位に位置する数残基ATPの加水分解といった、ミクロからマクロへと繋がる普遍的な構造が見えてきた。化学反応エネルギーが運動発生といった力学的エネルギーに変換される生体分子モーターのエネルギー変換機構の一端を明らかにしたこれらの知見に、物理的解釈を加えて論文にまとめている(投稿準備中)。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)