Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では運動制御の分野で認識されている機能的神経回路である中枢パターン生成器(CPG)を中心とする中枢神経系の数理モデルを構築し,運動中の被験者から侵襲・非侵襲的に計測可能な物理量に基づいて中枢神経系の活動を逆問題的に推定し運動制御系の神経機構を理解することを目標としている. グルノーブル大学ではパーキンソン病患者の大脳基底核へ電極を埋め込み直接電気刺激を与える治療を行っており,電極埋め込み部位を同定するために大脳基底核周辺の神経活動を記録している.大脳基底核は高次運動中枢の1つであるため,この神経核を構成する神経細胞の活動を知ることは脊髄下行信号を考察する上で興味深い.このようにして得られた記録電位から電極周辺の個々の神経細胞の活動を再構築するためには,1.神経発火電位(スパイク)をノイズから分離する技術.2.スパイクを神経細胞毎に分類する(ソーティング)技術.が不可欠である.今年度は、神経外科手術中に得られた記録データを解析可能な情報へと変換するための技術開発を行った. 教師無し学習により電極周辺に存在する神経細胞の典型的なスパイクの形状を自動的に学習し,これに基づいて個々の神経細胞活動を時系列として記録する技術を,アプリケーションとして誰でも容易に利用できる形で開発した.このアプリケーションは,オンラインとオフラインの両方で動作可能である.また,ハッチアプリケーションとして,大量のデータを次々に自動的に処理することかできる.従来のスパイク・ソーティングでは経験者の手作業によるスパイク波形のテンプレート作成が必要であったため,時間と経験が必要とされていた.これを本アプリケーションにより簡便化することが可能となった.神経科学の分野において神経活動の解析を行うためのみではなく,神経外科医が術中に神経活動情報を参照するための組み込みシステムとして発展する可能性を築いた.
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