フォトクロミック分子を用いた単一分子光ロジックゲートの開発
Project/Area Number |
04J07788
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Research Fellow |
深港 豪 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ロジックゲート / フォトクロミズム / 蛍光 / 単一分子 / ジアリールエテン / 反応解析 |
Research Abstract |
単一分子レベルで機能する分子ロジックゲートの開発を目指し、異なる波長の光で光閉環反応を示す二種類のジアリールエテンを分子内に有する蛍光性ジアリールエテン誘導体を設計・合成し、そのフォトクロミズムに伴う蛍光スペクトル変化の測定を行った。設計した化合物は、スイッチングユニットとなるジアリールエテン部位、蛍光ユニットのフェニルエチニルアントラセン部位およびそれらをつなぐスペーサー部位をそれぞれ合成し、それらをクロスカップリングさせることにより合成した。合成した化合物は、開環体の状態で強い蛍光を示した。異なる波長の光の照射により、二つのジアリールエテン部位が閉環体へと変化し、それに伴い蛍光強度が減少した。どちらの波長の光照射における光定常状態においても、その蛍光はほぼ完全に消光され効率よいスイッチングが達成された。可視光照射により両ジアリールエテン部位を開環体へと戻すと、その蛍光強度は完全に回復した。これらのスイッチング挙動からフォトクロミズムによる蛍光スイッチングを利用した分子ロジックゲートの可能性を得た。 また、フォトクロミック反応に対して単一分子レベルでの詳細な知見を得る目的で、蛍光性ジアリールエテンをTgが各々異なるZeonex(Tg〜130℃)、PMMA(Tg〜100℃)、poly(n-buthylmethacrylate)(PnBMA)(Tg〜20℃)の三種類の高分子媒体中に分散させた試料を用いて単一分子レベルでのフォトクロミズムの反応解析を試みた。一分子レベルで反応解析を行った結果、どの高分子媒体中においても光反応量子収率に揺らぎがあることが認められ、Tgの高いZeonexやPMMA中においては量子収率が光励起回数に依存するメモリ効果の存在が認められた。この結果から高分子媒体のT_gが単一分子の光反応性に影響を与えている可能性を得た。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)