脂肪細胞分化・増殖・肥大化に関わる細胞接着機構と分泌因子の生理病態的意義の解明
Project/Area Number |
04J07849
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福原 淳範 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ビスファチン / 脂肪細胞 / インスリン受容体 |
Research Abstract |
当研究室にて同定されたインスリン様作用をもつアディポサイトカイン;ビスファチンは脂肪細胞の分化誘導作用をもち、ビスファチン蛋白を培養3T3-L1細胞へ添加すると、インスリン受容体、IRS-1、 IRS-2がチロシンリン酸化される。しかし、IGFI受容体のリン酸化はみられなかった。インスリン受容体との結合をさらに調べるために、免疫精製したインスリン受容体とHEK293細胞内に発現させたビスファチンを用いて、ウェスタンブロットで結合を確認する系を確立することができた。現在、様々なビスファチン変異体およびインスリン受容体の変異体、欠損体を用いてビスファチンとインスリン受容体の結合部位について探索を行っている。 インスリン抵抗性病態である肥満、糖尿病で血中ビスファチン濃度が上昇することが、他の研究者から報告されている。インスリン抵抗性とビスファチンとの間連を調べる為に3T3-L1脂肪細胞、L6筋肉細胞、H4肝細胞を高濃度のビスファチンで処理したところ、インスリンシグナルを伝達するIRS-1の蛋白量が減少することを見出した。これまでインスリンによって同様の現象が報告されているが、高ビスファチン血症もインスリン抵抗性の原因となりうると考えられる。 ビスファチンは細胞外への分泌に必要なシグナル配列を有していない。ビスファチンの細胞内分布を細胞分画法を用いて調べたところ、ERや小胞を含む膜画分には存在せず、細胞質に局在していることがわかった。ビスファチンは細胞質で酵素として作用することが報告されており、MIF(マクロファージ遊走阻害因子)と同様に酵素作用とサイトカイン作用を合わせ持つ多機能蛋白であると考えられる。今後、ビスファチンの分泌機構についてさらに研究を進めて行く予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)