残存する記憶機能を活用した記憶リハビリテーションの開発とその効果の検討
Project/Area Number |
04J07934
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Rehabilitation science/Welfare engineering
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
増本 康平 大阪大学, 人間科学研究科, 助手
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 実演効果 / 脳磁図 / 再認 / エピソード記憶 / 記憶リハビリテーション / 失行症 / 再生 |
Research Abstract |
fMRIやPETよりも時間分解能が優れ、またEEGよりも空間分解能が優れているMEGを用い、健常者8名を被験者として実演条件と言語条件の再認時の脳神経活動の比較を行った。MEGを用いた実演効果に関する研究はこれまで報告されていない。この実験の目的は、1)実演条件において運動感覚情報の再活性化がみられるのか、また、条件間で活動部位に違いがあるのかを検討する、2)運動感覚情報の再活性化や条件間での活動部位の差がみられたなら、それらの神経活動が再認刺激呈示後、どの時点で発生するのかを明らかにする、3)実演条件と言語条件それぞれの大脳皮質におけるニューラルネットワークモデルを作成する、の3つであった。 実験の結果、実演条件の再認成績は言語条件よりも有意に高く、再認反応時間は実演条件のほうが言語条件よりも有意に短かった。MEGデータについては、左一次運動野(BA(Broadman's Area)4)に実演条件で言語条件よりも大きな神経活動が推定された。この結果は、符号化された運動感覚情報が検索時に再活性化していることを裏付けている。また運動感覚情報の再活性化は、再認刺激呈示後170-250msという早い段階でみられ、その神経活動は行為の時間的・空間的特徴の処理を担う左頭頂葉に伝播していた。さらに実演条件では、右頭頂皮質(BA7,BA40)、右後頭-側頭境界領域(BA37)に言語条件より大きな神経活動が確認された。これまでに頭頂葉後方のBA7は動作のイメージと、右後頭-側頭境界領域(BA37)は道具のイメージとの関連が指摘されており、右の頭頂葉下部(縁上回;BA40)は視空間注意との関連が指摘されている。したがって本実験の結果から、実演条件では言語条件と比較し検索時に内的視空間処理が行われていることが示唆された。一方、言語条件では、言語の意味的処理と関連している左前前頭皮質下部(ブローカ領域;BA44,45)に実演条件よりも大きな神経活動が確認された。これらの結果は、実演効果には運動感覚情報が関係していること、また実演条件の検索は非言語的処理に依存しており、言語条件の検索は実演条件よりも意味的処理に依存していることを示している。そして本実験から、実演効果の生起には運動感覚情報の処理、道具と動作の内的視空間処理、行為文の意味的処理が関与していることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Reactivation of physical motor information in the memory of action events
Author(s)
Masumoto, K., Yamaguchi, M., Sutani, K., Tsuneto, S., Fujita, A., Tonoike
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Journal Title
Cognitive Brain Research (投稿中)
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