充填スクッテルダイト構造をもつ強相関系新物質のNMR/NQRによる研究
Project/Area Number |
04J08063
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
與儀 護 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 充填スクッテルダイト / NQR / 異方的超伝導 / 重い電子系 / 近藤半導体 / SDW / CDW |
Research Abstract |
充填スクッテルダイト化合物の中で唯一重い電子超伝導を示すPrOs_4Sb_<12>についてその超伝導機構を明らかにするためにf電子を含まないLaで希釈した系についてSb-NQRによる研究を行った。その結果、Laを5、20%ドープした領域では超伝導特性に大きな変化は見られず、この物質は不純物に非常に強い事を明らかにした。また緩和時間の温度依存性よりこの物質は等方的なギャップを持つバンドとノードが存在するバンドから成るマルチバンドの超伝導体である可能性を示した。さらに、Laを80%ドープした物質の示す超伝導はBCS理論に従うs波超伝導であることを明らかにした。Ce系スクッテルダイト化合物の多くは半導体及び絶縁体的な振る舞いを示す。その中でもCeOs_4Sb_<12>はもっとも小さな半導体ギャップ(約10K)を持つ事が報告されている。また約0.9Kにて何らかの相転移が報告されている。我々はミクロな視点からCeOs_4SB_<12>の物性を探るためSb-NQRによる研究を行った。300K以下での緩和時間の指数関数的な温度変化よりこの物質は約320Kの混成ギャップを持つ事が見いだされた。そして緩和時間は1.3Kから25Kの間で1/T_1T∝(T-θ)^<0.5>の振舞いを示し、これは守谷らによるSCR理論による3次元反強磁性スピン揺らぎのモデルで説明することができる。さらにθの値は0.6と非常に小さく、本系が量子臨界点に非常に近いということを発見した。さらに、(1)約0.9K以下で緩和率の急激な減少が見られること、(2)NQRスペクトルの形状が典型的なスピン(電荷)密度波(SDW/CDW)状態に対応する、(3)NQRスペクトルの形状及び緩和時間にヒステリシスが観測される。以上の事からSDW/CDWへの1次転移が生じていることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)