Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
小さな分子やイオンの分離・キャラクタリゼーション法については,すでにHPLCや質量分析法等の種々の方法が開発されている.しかし,40kbpを超える大きなDNAや複合タンパク質,環境中の粉塵や大きく成長しない単結晶等のようなsub-μm〜μmの大きさを持つ微粒子に対する分析法は確立されておらず,材料化学,環境科学および生命科学等の広い分野において非常に重要なテーマとなっている.また,このような微粒子は,一つ一つが固有の役割を果たしているため,そのままの状態で,しかも個別に分析する必要がある.本研究では,外場として磁場を用いた磁気泳動法により液中の単一微粒子の磁気分析を行う方法を開発し,種々の微粒子の磁気分析に適用し,本法の特徴を明らかにした.Co-Feプルシアンブルー類似体微結晶は光誘起磁性変化を示すため非常に注目されている分子磁性体である.この微結晶のパルスレーザー照射前後の磁化率変化を磁気泳動法によりin situで測定した.その結果,平均値はSQUIDでの測定値とほぼ一致したが,個々の微結晶を測定すると値にバラツキがあった.また,パルスレーザー依存性を調べると,スピン転移が起こるには閾エネルギーが存在し,その閾エネルギーは個々の微結晶により異なる事が分かった.比表面積の大きなサイズの小さい微結晶の閾エネルギーは小さくまた磁化率変化量も大きい傾向があった.従って表面は比較的容易にスピン転移が起こる事が示唆された.これは,単一微粒子を観測する本方法においてのみ観測可能である.
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