Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
レーザ光照射による酸化物ガラスの新規構造制御手法について研究を行った.従来のレーザ誘起構造変化は,光とガラス中の構造欠陥の直接的な相互作用のみを利用していたため,変化量も小さく,またその熱的安定性も低い.そこで,本研究では,レーザ光と構造欠陥の直接的相互作用に,ガラスの相変化を新たに組み合わせた構造制御を検討した. 紫外波長レーザの干渉光照射と熱処理を組み合わせることで,ガラス薄膜中に空間分解能200nm程度で,半導体Geナノ粒子を空間選択的に析出させるとともに,その選択的析出機構について詳細に検討を行った.この選択的析出法によってレーザ光照射だけで誘起した構造変化の10倍以上の変化を熱的に安定に形成することに成功した.このナノ粒子の析出に関して,各種分光測定などを行い,以下の形成モデルを提案した.まず,相変化の初期過程において,レーザ光照射によって局所的に分相が促進され,周期的な化学組成変調構造が形成される.相変化がさらに進行すると,ガラス製造段階で高濃度に導入したGe関連の構造欠陥の還元が,この組成差に対応して起こり,Geナノ粒子の析出が起きる. 高屈折率なGeナノ粒子の空間選択的析出法を利用して形成したブラッグ回折格子を内装した高効率かつ安定な光導波路型フィルターを,フォトリソグラフィー法とレーザ直接描画法の2通りの手法で作製した.従来型のレーザ誘起回折格子を備えたフィルターでは200℃以下の加熱によって顕著な特性劣化が見られたのに対し,本手法で作製したフィルターは500℃での加熱後にも安定な特性を示した. これらの研究成果を学術論文や学会誌,また,光材料及び光デバイスに関わる国際会議,国内学会において発表を行った.
|