リポキシゲナーゼモデル錯体によるリノール酸の位置選択的酸素化反応とその制御
Project/Area Number |
04J08123
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemistry related to living body
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
北口 博紀 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | リポキシゲナーゼ / 酸素添加酵素 / リノール酸 / 13-HPOD / プロトン共役電子移動反応 / 水素移動反応 / 電子移動反応 / 位置選択的酸素化反応 / 位置選択的付加反応 / ラジカル中間体 / 自動酸化反応 |
Research Abstract |
基質の酸化還元に関わる酵素反応では、基質を取り込んだ後、基質からの水素移動が鍵段階になるものが多い。その代表的な例にリポキシゲナーゼがある。リポキシゲナーゼは活性中心に非ヘム単核鉄を有し、リノール酸等の不飽和脂肪酸に分子状酸素を位置選択的に導入することができる。例えば、大豆リポキシゲナーゼは酵素の活性中心がリノール酸の炭素の11位の水素原子を選択的に引き抜き、13位にペルオキシル基を有する13-HPODに変換する。最初の水素引き抜き過程は「一段階の水素移動」と「電子とプロトンが別個に移動するプロトン共役電子移動」の2つの機構が考えられている。また、「プロトン共役電子移動」では、電子とプロトンが完全に共役して移動する場合と段階的に移動する場合の2つが考えられる。完全に電子とプロトンが共役した場合、一段階の水素移動と何がどう異なるかははっきりしていない。そもそも一連の不飽和脂肪酸の水素移動反応における反応性を定量的に直接決定した例はない。 そこで本研究では、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの各種不飽和脂肪酸からペルオキシルラジカルへの水素移動反応速度を直接決定して、その反応性を定量的に明らかにした。さらに、一連の不飽和脂肪酸の光誘起電子移動酸化反応および生成するラジカルカチオンからの脱プロトン反応の速度定数を初めて決定した。この水素移動反応および電子移動反応の反応性とリポキシゲナーゼの反応性について比較検討を行ったところ、リポキシゲナーゼ酵素反応の鍵段階である酵素活性中心による水素引き抜き過程が、電子移動とプロトン移動が完全に共役して起こるプロトン共役電子移動であることを初めて定量的に明らかにすることができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)