金属酸化物半導体の光エネルギー変換機能の向上をめざした表面光反応機構の解明
Project/Area Number |
04J08141
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | Hokkaido University (2005) Osaka University (2004) |
Research Fellow |
中村 龍平 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 酸素発生 / 表面反応 / 光触媒 / 多電子移動触媒 / 人工光合成 / マンガン二核錯体 / PSII / 可視光 / 光エネルギー / 二酸化チタン / 可視光応答化 / 表面分光法 / 電子移動 / ルイス酸塩基 |
Research Abstract |
二酸化チタンに代表される金属酸化物半導体は、光エネルギー変換に適した光触媒として、多くの研究がなされている。真に高性能な光反応系を実現するためには、金属酸化物表面で起こる光反応の機構を明らかにし、それを踏まえた材料開発を行う必要がある。以上の観点から、本研究では「表面反応中間体の分光学的in situ直接観察」および「金属酸化物表面構造の原子レベル制御」の2点から研究方法の開拓を進め、これを通じて反応機構の解明を行ってきた。特に光機能界面として最も重要であるTiO_2/水溶液界面における水の光酸化・酸素発生反応に焦点をあて、この反応の機構を原子・分子のレベルで解明を行った。以下に主な結果を述べる。 (1)新しい表面処理法であるHF浸漬-高温焼成法を用いることで、原子レベルで平坦でかつ安定なTiO_2ルチル表面を作製することに成功した。その結果、表面バンドエネルギーや価電子帯正孔の反応性がTiO_2の表面原子構造配列に依存することを世界で初めて明らかにした。さらに、in situ PL法を用いて、水の光酸化反応の前駆体である表面捕捉正孔を捉え、この原子レベルでの構造やエネルギーの面依存性を明らかにした。 (2)金属酸化物上での結果を踏まえて、窒素含有・金属酸化物上における可視光照射下での光酸素発生反応の機構の検討を行った。TaON微粒子粉末を用いて薄膜光電極を作成し、種々の還元剤添加による光電流作用スペクトルの変化の詳細な検討から、可視光照射下での水の酸化反応は"電子移動機構"で進行するのではなく、"水分子の求核攻撃機構"によって進行することを明確に示した。 (3)さらに、多電子移動触媒であるIrO_2、および光合成のPSII中心のモデル触媒としてMn二核錯体の合成を行い、水の酸化反応が上と同様に"水分子の求核攻撃機構"で反応が進むという重要な結果を明らかにしつつある。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)