構造と塩基配列が制御されたDNA分子のナノスケール電気輸送現象の解明
Project/Area Number |
04J08149
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nanomaterials/Nanobioscience
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
大塚 洋一 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 核酸 / 電気特性 / 分子デバイス / トップコンタクト型電極 / ナノ電極 |
Research Abstract |
DNAの電気輸送現象の解明は、遺伝子損傷のメカニズムにつながるバイオサイエンス上の重要な課題であるのみならず、新規なバイオ分子デバイスのキーマテリアルとしてきわめて重要なテーマである。 DNAは非常に柔軟な分子であるため、その電気特性評価の際には、基板上での分子構造および電極との接続をきちんと制御した上での測定を行うことが必須である。特別研究員は、昨年度までに、これらの問題点を解決するための、分子構造の変形を抑えた上でのトップコンタクト型電極作製技術と基板上におけるDNA分子のパターン固定化法を開発した。そこで今年度は、これらの各種技術を融合させて実験試料を作製、DNAの電気特性評価を行った。 電気測定条件は高真空・遮光条件下で行われた。電流電圧特性において、DNA存在下のみで非線形対称的な特性を得た。また電流-時間特性において、電圧印加に伴って定常電流が検出された。この試料に対して、AFMによる電極近傍の表面構造を観察した結果、約40本のDNAの束が存在している事が観察された。さらにSEMによる電極間距離の測長結果から、DNAの抵抗率は3.6×10^3Ω・mと見積もられた。 更に、本結果とこれまでに報告された類似の測定結果の比較を行った。なお、全ての結果においてLambda DNAが用いられている点が共通点であるが、電極構造およびDNA溶液調製時の条件が異なっている。この比較から見いだされる重要な知見として、1,ボトムコンタクト型電極によるDNA分子の構造変形に伴う電気輸送現象の消失すること、そして、2,マグネシウムイオンによる伝導キャリアの生成が実験的に明らかになったと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)