環境感知応答システムによる異物排出蛋白質発現制御ネットワークの解明
Project/Area Number |
04J08261
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
平川 秀忠 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 異物排出蛋白質 / 環境感知応答システム / インドール / Ferric uptake regulator / 薬剤耐性化 / 病原性 / PTS sugar / 定常期 / 二成分情報伝達系 / 細胞間情報伝達 / 薬剤体制化 |
Research Abstract |
異物排出蛋白質は多くの細菌に存在する主要な多剤耐性因子である。大腸菌においては20種類もの異物排出蛋白質がゲノム上に存在しているもののそのほとんどが構成的に発現しておらず、なんらかの刺激で発現が誘導され、結果的に多剤耐性化を引き起こすのではないかと考えられてきた。しかしながら、実際多くの異物排出蛋白質が通常はどのような機構で発現が抑制されどのような刺激で発現が誘導されるのかは明らかになっていない。1年目では、インドールという化合物が二成分情報伝達系に作用し、数種類の排出蛋白質の発現を誘導させることを発見した。さらに、本研究では排出蛋白質の発現誘導シグナルおよび、条件、発現抑制因子を広く同定することを目指した。 最初に大腸内での排出蛋白質の発現レベルを評価するために、生育段階毎に排出蛋白質のプロモーター活性を測定した。この結果、MdtEFと呼ばれる排出蛋白質が培養時間とともにその発現量が劇的に増大し、定常期において最大になることを見出した。さらに、この定常期におけるMdtEFの誘導は大腸菌自身および、他の腸内細菌が分泌するインドールが原因であることを発見した。一方、イシドールは定常期での遺伝子発現調節シグナルとして腸管出血性大腸菌の病原性にも関わっていることも明らかにした。 次に、排出蛋白質の発現誘導物質のGlobal Screeningおよび、発現抑制因子をトランスポゾンによるランダムノックアウト法により探索、同定を行った。この研究過程でCRP-cAMP(Catabolite Receptor Protein)がmdtEFの、Fur(Ferric Uptake Regulator)がacrDとmdtABCの発現を抑制し、PTS sugar高濃度存在下では、CRP-cAMPによるmdtEFの、そして鉄欠乏条件下では、FurによるacrDとmdtABCの発現抑制がそれぞれ解除されることで結果的に、これらの発現が増大することも明らかにした。 以上の結果から、排出蛋白質の発現は細菌自身が分泌するインドールシグナル、鉄やPTS sugarの濃度変化といったある種の環境変化により増強されることが示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)