Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
高等植物細胞は中心体のような明確な構造物としてのMTOC(microtubule organizing center;微小管形成中心)を持たない。そのMTOCは細胞内の様々な場所に分散しており、細胞周期の進行に応じて様々な微小管構築群を見せる。細胞核の表面も高等植物細胞のもつMTOCのひとつである。間期のある時期には細胞核表面から細胞膜に向かって放射状に微小管が形成される。核表面にどのようなMTOCが存在するのだろうか?これまで数年の試みにより、高等植物細胞の核表面に局在するピストンH1が、チューブリンと結合し複合体を形成することで微小管を構築することが示唆された。この微小管形成機構は旧来のγ-チューブリン型のMTOCとは全く異なり、微小管へのチューブリンの取り込みが基部側末端で起こることが明らかとなった。ヒストンH1とチューブリンからなる複合体はこのようなユニークな微小管構築をどのようなメカニズムで実現しているのだろうか。 高等植物は通常、ピストンH1 variantを複数種持つ。タバコの場合少なくとも5つのピストンH1 variantを持つので、これらのどれが微小管形成に関わるのか明らかにすることとした。遺伝子配列情報が入手可能であったRIB, HIC, HIDについてGSTタグを融合したリコンビナントタンパクを大腸菌内で発現、これを精製しin vitroでの微小管形成活性を比較した結果、全てのピストンH1がMTOC活性を有していた。しかし一方で、これらのMTOC活性はGSTタグを切り離した上で一旦リフォールディング過程を経ることで初めて現れることがわかった。このことは、ピストンH1のMTOC活性が、自身の正しい立体構造に深く依存することを示唆するものであった。また、これまでの研究でピストンH1の核表面での局在を示したピストンH1抗体が、ピストンH1Bとのみ交差することも明らかとなった。このことから、少なくともヒストンH1Bが核表面に局在し、チューブリンと結合することで微小管を構築すると考えられる。
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