大腸がんにおける核内レセプターの機能解析と核内レセプターを標的とする治療法の開発
Project/Area Number |
04J08442
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川名 克芳 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 核内レセプター / β-catenin / LXR / 大腸がん |
Research Abstract |
コレステロールは細胞膜の構成成分であり、胆汁酸やステロイドホルモンの原料として重要な化合物である。核内レセプターLXRは生体内のコレステロールバランスを調節する因子の一つとして知られている。LXRは肝臓、小腸やマクロファージにおいてオキシステロール受容体として、コレステロール代謝・排泄に関連する遺伝子発現を調節する。最近の研究により炎症・免疫反応に関連する遺伝子発現の調節を行うことも明らかになり、脂質代謝と様々な細胞機能を結びつける因子として注目されている。細胞膜構成成分であるコレステロールは、細胞増殖においても重要な化合物であり、コレステロール代謝と増殖シグナルとの何らかの相互作用が予測される。本研究では、LXRと細胞増殖シグナルとの関連性を明らかにするために、APC、p53やβ-cateninなどの遺伝子異常が明らかとなっている大腸がん細胞におけるLXRとこれらの細胞増殖シグナルとの相互作用を解析した。 細胞トランスフェクションアッセイによりLXRがリガンド依存性にβ-cateninの活性を抑制することを見いだした。β-カテニン変異を有する大腸がん由来HCT116細胞の増殖はLXRアゴニストにより抑制された。HCT116細胞においてWntシグナル下流遺伝子であるc-myc, BMP4のmRNA発現がLXRアゴニストによって抑制された。LXRによるβ-catenin活性抑制作用はAF-2ドメイン依存性であるが、in vitroにおいてLXRとβ-cateninはリガンド非依存性に直接結合していた。 LXRとβ-cateninとの相互作用については、他のコファクターなどとの相互作用を含めたコンフォメーションの変化が関与することが示唆された。本研究結果は、脂質代謝系と増殖シグナルとを関連づけるものとして重要であり、細胞のダイナミックな機能の解明へと発展できる。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)