有櫛動物の軸形成機構から見た後生動物の進化的起原に関する研究
Project/Area Number |
04J08918
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Evolutionary biology
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Research Institution | Hokkaido University |
Research Fellow |
山田 温子 北海道大学, 大学院理学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 有櫛動物 / クシクラゲ / brachyury / 形態形成運動 / モルフォリノオリゴ / ドミナントネガティブ / ツメガエル / 陥入 / 軸構造 / 腸 / 放射相称動物 / T-boxファミリー / Tbx1 |
Research Abstract |
本研究の目的は、放射相称動物であるクシクラゲ(有櫛動物)の軸構造を、特に消化器官の軸構造に焦点をあてて理解することである。前年度までに、クシクラゲからbrachyuryを含む5種類のT-boxファミリー遺伝子を単離し、それらの発現パターンをin situ hybridization法によって明らかにした。その結果、クシクラゲbrachyury(MlBra)は消化器官の一端である口陥(原口周辺)で発現することが分かった。そこで本年度は、MlBraの機能を調べるために、モルフォリノオリゴ(MO)による機能阻害実験を行った。MlBraの機能を阻害するMO(MlBra-MO)、又は、コントロールMOをクシクラゲ受精卵に顕微注入したところ、どちらの胚も後期原腸胚まで正常に発生した。しかし、MlBra-MO注入胚では、原腸形成終了直後に始まる予定口陥細胞の陥入が抑制された。この結果から、MlBraは口陥形成のための形態形成運動に機能していることが示唆された。近年、脊椎動物においてもbrachyuryの形態形成運動への関与が明らかになっている。そこで、後生動物の進化過程におけるbrachyuryの役割を明らかにするために、MlBraをツメガエル胚に導入する実験を行った。MlBraのドミナントネガティブ体(MlBra-EnR)をツメガエル4細胞胚の背側帯域に注入したところ、初期原腸胚までは正常に発生するものの、その後の原腸陥入は阻害された。同様の結果は、ツメガエルbrachyury(Xbra)のドミナントネガティブ体を注入した胚でも観察された。よって、MlBraはツメガエル胚の中でXbraと同じように機能することが明らかになった。以上の研究から、brachyuryの本来の機能は、中胚葉の形成ではなく、消化器官の形成に関わる形態形成運動の制御にあることが示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)