東シベリア、中央ヤクーチアにおける植生変遷とアラスの形成
Project/Area Number |
04J09097
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Stratigraphy/Paleontology
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Research Institution | Hokkaido University |
Research Fellow |
片村 文崇 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | シベリア / 永久凍土 / サーモカルスト / タイガ / 花粉分析 / 森林火災 / 国際研究者交流 / 植生変遷 / ロシア / 東シベリア / アラス |
Research Abstract |
本研究では、東シベリアの中央ヤクーチアに分布するアラスで採取した堆積物の分析を行っている。この地域では、近年大規模な森林火災が発生しており、森林生態系に多大な影響を与えている。また、強度の森林火災は凍土の融解を引き起こし、アラスを形成させるという説がある。長期的な森林火災史の理解は、植生と火災の関係や凍土融解の引きがねを明らかにする上で重要である。そこで、サハ共和国ヤクーツク市近郊のSugun湖、Chai-kuアラス、Maralayアラスにおいて、植生を復元するための花粉分析と、森林火災史を復元するための炭化片分析を行った。湖周辺の植生は、カラマツ、ヨーロッパアカマツ、シラカンバを中心に構成されている。 花粉分析の結果、中央ヤクーチアのアラスの形成が活発であったと考えられる完新世初期の植生は、カラマツとシラカンバの森林にイネ科やヨモギ属多く含むものであった。この時期以降、イネ科やヨモギ属などの草本は次第に減少した。6000cal yr BPにヨーロッパアカマツが急激にレナ川沿いに拡大し、現在と同様の森林植生が定着した。これまでの炭化片の分析の結果、12500-7000cal yr BPにしばしば大きなピークが見られた。これらのピークは、サーモカルストの発達期に周辺から流入してきたものと解釈出来る。7000cal yr BP以降、大きなピークは見られず、現在と同様の地表火中心の森林火災が発生してきたと考えられる。また、森林植生がカラマツからヨーロッパアカマツに変わる6000cal yr BP前後で、炭化片量の大きな変動は見られず、植生のタイプが森林火災の増減を決定している可能性は低い。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)