ウシ白血病ウイルス感染症における宿主免疫応答と病態の解析
Project/Area Number |
04J09146
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Hokkaido University |
Research Fellow |
笛吹 達史 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 牛白血病ウイルス / 羊 / 宿主免疫応答 / サイトカイン / インターフェロン-γ / 腫瘍壊死因子-α / ウシ白血病ウイルス / ヒツジ / 腫瘍壊死因子(TNF) / TNF受容体 |
Research Abstract |
牛白血病ウイルス(BLV)は、牛の腫瘍性疾患として頻度の高い地方病型牛白血病の起因ウイルスである。近年、日本国内におけるBLV感染率が急激に増加しつつある。本研究では、牛白血病の発生防除を目的に、BLV感染と宿主免疫応答との関連について解析を行った。 はじめに、BLV攻撃を行った羊を用いて、感染初期における免疫応答をサイトカイン発現解析によって評価した。同量のBLVで攻撃したにも関わらず、羊は個体によって異なるウイルス増殖性を示し、ウイルス増殖が抑えられた羊では、ウイルスが盛んに増殖した羊に比べて、細胞性免疫の活性化を示すインターフェロン(IFN)-γの発現が強く見られたことから、細胞性免疫の誘導によるウイルス感染細胞の排除が、BLVの増殖に対する抵抗性を得るうえで重要であることが示された。 その後、感染経過とともに、多くの羊でウイルス増殖が認められた。これまで牛白血病の病態進行における腫瘍壊死因子(TNF)-αの関与が示唆されていたため、リンパ球増多症を呈する羊から、BLVの標的細胞であるB細胞を単離し、B細胞中のTNF-α発現を解析した。リンパ球増多症を呈する羊由来B細胞では、非リンパ球増多症羊や非感染羊に比べて、TNF-αの発現亢進が認められ、本因子の病態進行への関与が示唆された。 本研究によって、BLVの増殖に宿主のサイトカイン発現が関与することを確認し、とくに、BLVの増殖抑制には、細胞性免疫の誘導を促すIFN-γの発現が重要であることが示された。BLV感染症では感染予防と病態進行を阻止することが重要であるため、今後、宿主のTh1免疫応答を活性化し、病態進行を抑えるようなワクチンの開発が望まれる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)