Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
キタヨコエビ科内の系統関係およびキタヨコエビ科の系統的位置を明らかにするために,キタヨコエビ科の7種を含む3上科6科17種の28S rRNAおよび16S rRNAの塩基配列を決定し,系統樹を作成した.その結果,科レベルではキタヨコエビ科およびMesogammaridaeの単系統性が強く支持された.一方,上科レベルで見ると,ヨコエビ上科は単系統にはならず,上科レベルで分類学的再検討を行なう必要があることが明らかになった.また,海水域から淡水域への侵入および淡水域から海水域への二次的な侵入は,キタヨコエビ科内においてのみならず,ヨコエビ類全体で独立に何度も生じていることが示唆された. しかし,浸透圧調節器官の形態には顕著な差あるいは生息環境による傾向などは見られなかった. キタヨコエビ科のオオエゾヨコエビ属内の系統関係を明らかにするために,オオエゾヨコエビ属の2亜属12種のCOIおよび12S rRNAの塩基配列を決定し,系統樹を作成した.その結果,亜属レベルではアナンデールヨコエビ亜属の単系統性が強く支持された.また,琵琶湖固有のナリタヨコエビと諏訪湖および河口湖に分布するスワヨコエビは,形態的にも遺伝的にも差がないことから,両種は極めて近年に種分化したか,同種である可能性が高いことが示唆された.琵琶湖から諏訪湖・河口湖へは多数の魚種が移植されていることから,ナリタヨコエビはそれらの魚種とともに琵琶湖から諏訪湖・河口湖へ移入されたのかもしれない. 以上述べたことに加えて,キタヨコエビ科のトゲオヨコエビ属のリビジョンを完成させ,これまで混乱していた本属の分類を明らかにし,1新種を記載した.
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