Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
中国内蒙古草原では,畜産需要と人口の増加および定住化等によって,環境収容力を超えた家畜数の放牧による過放牧の影響で砂漠化が進行している。そこで牧畜を営む牧民の生活を成立させつつ,同時に草原生態系の維持・保全を可能にするため,リアルタイムの草原現況把握とその土地に見合った牧養力を年次ごとに予測できる手法の確立を目指した。内蒙古草原のような大面積の環境・資源量を継続的に評価・定量化する上で,衛星リモートセンシングは有効なツールであり,地理情報システム(GIS)と組み合わせたモデルによって的確な予測が可能になる。本研究の結果、人工衛星Terra/MODISデータの植生指数を使うことにより、草現存量と粗タンパク質に代表される草質を準リアルタイムで高精度に検出できることが判った。衛星による草質推定は画期的な発見である。また,同地域では14年前の草量より,約40%減少していることも判った。禁牧などの施策によって草量が回復した地点もあった。次にGPSとバイトカウンター(顎運動計数装置)を羊に装着し放牧することにより、羊群の行動パターンや移動距離、採食場所などが明らかになった。これにより,羊は1日に11〜13km歩き,行動は気温の変化と敏感に関連していることが判った。衛星画像情報と組み合わせることで,草原の放牧の管理について統合的な管理手法が提示できた。この研究は,動物行動と人工衛星データを組み合わせた新しい衛星生態学の可能性を示すものである。
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