Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
平成17年4月から半年間,米国ローレンスバークレー国立研究所(LBNL)に滞在し,浮力により誘起される予混合ブンゼン火炎先端部の振動機構を調べた。ブンゼン火炎先端部の振動には,火炎面背後の燃焼生成物と周囲大気との境界に形成される界面の不安定性(ケルビンヘルムホルツ型不安定)が重要な役割を演じている。本研究では,界面の不安定化によって生じる環状渦と火炎先端部の振動の連動性に着目した。レーザー偏光法とPIVを組み合わせた新しい位相固定計測手法を導入し,ブンゼン火炎と燃焼生成物の流れ場の構造を明らかにした。その結果,環状渦がブンゼン火炎先端部の側面を通過する際に,火炎先端部の顕著な流速変動が誘起されることが明らかになった。 帰国後,小型プール火炎の振動現象(Puffing現象)の発生条件並びにその挙動について実験的に検討した。Puffing発生条件として,臨界発熱量が重要な指標となることを示した。また,小型プール火炎の挙動は,燃料容器径の増加に伴い定常から周期振動を経て準周期振動に移行することを,カオス時系列解析により定量的に示した。LBNLで導入したレーザー計測システムを適用し,Puffing現象の詳細なメカニズムを解明していくことが,今後の重要な課題である。 本研究では決定論的カオス理論で代表される位相空間上での幾何学構造(フラクタル次元)・軌道不安定性(軌道並行速度法,リャプノフ指数)に着目しながら,複雑な振動現象の新しい評価方法の構築も試みた。固体材料表面における着火現象,ブンゼン火炎先端部の振動現象,プール火炎のPuffing現象に及ぼす浮力の重要性を明らかにしながら,振動挙動の新しい評価方法を提案した。
|