Project/Area Number |
04J09667
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
小山 花子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 政治思想 / ハンナ・アーレント / 共和主義 / レーニン / 判断力 / 美学 / 実存主義 / 革命論 / 活動 / 公共性 / ユダヤ人問題 / 参加型民主主義 / ハイデガー |
Research Abstract |
平成17年度〜18年度は、ハンナ・アーレントの政治・社会哲学の理解を深めるため、アーレントと他の思想家の思想を比較・検討し、またアーレントの後期の判断力理論に注目して、研究を行った。具体的には、以下の作業を行った。 1.アーレントの思想と、ジェームズ・マディソン、トマス・ジェファーソンの政治思想との比較・検討。これらの思想家の間には、興味深い差異と共通性が見出された。 2.アーレントとレーニンの政治思想についての考察。アーレントはしばしば反マルクス主義的であると言われ、当然レーニンの思想についても否定的な見解を持っていたと見られがちである。彼女の主張を細かく追うことによって、アーレントとレーニンの思想の橋渡しを試みた。 3.アーレントの後期の著作『精神の生活』の再検討。アーレントの政治哲学の理解という文脈ではあまり正面から論じられることのない『精神の生活』が、彼女の政治哲学に対して持つ意味を、考察した。イギリスのケンブリッジ大学で行われた国際会議でこの研究成果を発表し、この問題について有意義な意見交換を行うことができた。 4.『イェルサレムのアイヒマン』をめぐる論争の再検討。「美学的観察者」という概念を用いて、特に『イェルサレムのアイヒマン』におけるアーレントの叙述ないしは思考の傾向性を検討した。 5.アーレントの思想の全体的な理解。前期アーレントに顕著に見られる活動論と、後期アーレントに見られる判断力論の特徴を、始まり、自己開示、真理、身体、公共圏という5つの視点から、包括的に検討した。 これらの作業によって、西欧思想史におけるアーレントの位置ないしは特質が浮かび上がるとともに、後期アーレントの判断力理論の意義、そして彼女の思想の全体像が明らかにされた。
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