メディア研究による19世紀ロシア文学の大衆化過程の解明
Project/Area Number |
04J09891
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
ヨーロッパ語系文学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
神長 斉子 (大野 斉子) 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | メディア研究 / 初期映画 / ゴーゴリ / ハンジョンコフ / 文化研究 / 文学の大衆化 / 受容史 / ロシア / メディア / 出版 / 文学 / イラストレーション / 異本論 / ゴーゴリ研究 / 出版史 / ロシア教育史 |
Research Abstract |
論文「映画『死せる魂』ロシア映画の黎明期」 20世紀初頭におけるロシアの都市生活の変化や写真・映画の成長等の社会現象が文学作品に与えた影響の調査・研究に重点を置き、これまで主に研究してきたゴーゴリ作品の受容プロセスというテーマをさらに発展すべく、今年度はゴーゴリ作品を題材とした初期のロシア映画について研究を行った。 映画に着目したのは、ゴーゴリ作品の映画化が、ゴーゴリ作品を初めとする古典文学の大衆化にとって重要な転換点だからである。映画『死せる魂』をモデルケースに、映画が文学の受容形態をどう変えるのかというテーマで論文「映画『死せる魂』ロシア映画の黎明期」を発表した。 映画はロシアでも20世紀を代表する大衆メディアに成長するが、初期映画についてはわかっていないことが多い。映画『死せる魂』に関する事実関係(制作時期や過程など)にも不明の点が多く残されている。この研究では制作者ハンジョンコフの回想録や研究書、資料をもとに映画作品を巡る事実関係の検証から行い、文学を映画という異なるメディアに移植するための方法や技術についての分析へと発展させた。映画よりも前に、文学を視覚芸術に置き換えたイラストレーションが、映画作りにどのような影響を与えたかについて検証した。また、技術的に未熟であったロシアの映画製作の現場の苦労などについても、検証した。また当時のロシアにおける映画上映の場の検証を通じ、映画化による新たな受容の局面について論じた。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)