自己認識における感覚統合メカニズム-遅延自己映像を用いた認知神経科学的研究
Project/Area Number |
04J09906
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cognitive science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
嶋田 総太郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 脳活動計測 / ミラーシステム / 他者 / 近赤外分光法(NIRS) / 乳幼児 / 自己 / 遅延視覚フィードバック / 自己認識 / 感覚統合メカニズム |
Research Abstract |
前年度の成果から、頭頂葉が自己身体の実現に深く関与しており、特に視覚と体性感覚の統合に重要な役割を果たしていることが示された。本年度はこの結果をもとに、自己と他者の身体が癒合した状態から自己と他者の身体が別々のものとして認識される過程のモデルを提案し、国内学会にて報告をした。このモデルでは、視覚的な身体を処理する脳部位(視覚野)からの入力と体性感覚・触覚を処理する脳部位(一次体性感覚野)からの入力が、その時間的整合性をもとに頭頂葉で統合され、自己身体は上頭頂葉において、他者身体は下頭頂葉において処理される過程を示した。 また、本研究に深く関連するトピックとして、他者の運動表現と自己の運動表現が脳内でどのように共有されているかについて、成人および乳児を対象として脳機能計測実験を行った。ヒト成人およびサルでは、自分自身が運動するときに活動する脳部位が、他者の運動を観察したときにも活動することが知られているが、乳児でも同様の脳活動が見られるかについてはまだ明らかではない。そこで本研究では近赤外分光法(NIRS)を用いて他者運動を観察しているときの6-7ヶ月乳児の脳活動を計測した。その結果、実際に(生の)他者運動を観察しているときには一次運動野が強く活動するが、おもちゃのみの動きを見ているときにはあまり活動が見られないことが示された。また他者運動を、TVを介して観察したときには、一次運動野の活動はやはり見られたものの生で見た場合とは若干異なる活動パターンを示すことがわかった。成人を対象とした実験でもほぼ同様の結果が得られた。これらの結果から、他者と自己の運動表現はかなり早い時期から共有されていることが示された。実物とTVを介したときとで脳活動に違いが出た点については今後も研究を進めていきたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)