日本近世社会における淡島信仰と現世利益の受容・変容
Project/Area Number |
04J10006
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese history
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
原 淳一郎 東京大学, 史料編纂所, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 淡島 / 関東出漁 / 関東地方 / 近世 / 北前船 / 海上交通 / 利根川 / 粟島 / 加太 / 撫養 / 近世史 |
Research Abstract |
本年は、過去2年間で行ってきた近世以降の関東地方の淡島信仰の展開状況をもとに、それがいかなる地域からもたらされたものであるのかを特定するため、隣接する各県への調査を行った。具体的には、長野県・山梨県・静岡県・愛知県・福井県・石川県・富山県・新潟県・福島県である。このうち完全に調査を終えていない地域もあるが、おおよその展開が見えてきた。関東では、神奈川だけがやや少なく、しかし三浦半島に限っては淡島社が多いことが分かっていた。それに比べて、房総半島・北関東には多いことから、おそらくは享保以降紀伊半島からの関東出漁が盛んになるにつれて、長期間滞在する漁民も増え、やがてはその地で生涯を終え、または定住する人もあらわれたことが、いくつかの史料により実証ができることから、大きな伝播ルートとして提示できると考えていた。それが、今年度の調査により、愛知県には僅か2社、長野県も5社という、関東各県が40から50社ほどあるのに比べて圧倒的に少ないことが分かり、明らかに「海」のルートであることがより確実となった。この点は、北陸調査によっても裏付けられた。北陸各県はいずれも淡島社が多く、北前船をひとつの伝播ルートと考えていた説が裏付けられた。とくに顕著なのが、富山県で、ほぼ中央部の沿海部のみに淡島社が多く見られ、山間部・加賀・能登・越後に隣接するあたり、すなわち北前船の寄港地がないところには全く淡島社が見られなかった。これらの事実によって、完全に「海」のルートにより関東にもたらされていることが判明した。課題としては群馬県についてである。単純に利根川水系によるものか、越後より山伝いにもたらされたものかを特定しなければならない。ただし福島県の調査が完全ではないため、これを終わらせることで、自ずと越後→街道伝いか否かの応えは見えてくるものと考えている。
|
Report
(3 results)
Research Products
(7 results)