ソフトマター系の非線形動力学の統一的理解とそれによる生体機能発現機構の解明
Project/Area Number |
04J10039
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
土木材料・力学一般
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Research Institution | Hiroshima University (2006) The University of Tokyo (2004-2005) |
Principal Investigator |
粟津 暁紀 広島大学, 大学院理学研究科, 助手
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | レオロジー / 反応ネットワーク / ソフトマター / 分子機械 / 反応拡散系 / 応力伝達 |
Research Abstract |
本研究は、様々な生物の様々な部位で様々な形で実現している、情報、物質、エネルギーの伝達、増幅、変換、記憶(蓄積)といった、様々な生体機能の実現メカニズムを、ソフトマター系の動力学、化学反応動力学の理解を通じて解明することを目的としている。 そこで本年度は、生体機械の集団としての細胞系の運動、及びその細胞の集団系の挙動に潜む動力学的側面の解明に向け、簡単な格子ガスモデルや、結合振動子モデルを提案、及びその解析を行い、以下のような成果を得た 細胞の自律的な運動は、その内部にある微小管やアクチンフィラメント等といった細胞骨格や、脂質からなる膜構造等の、流動化や組織化を通じて起こる。よってその理解には、高分子溶液やコロイド溶液といったソフトマター系のレオロジーの理解が不可欠である。そこで滑り面の熱運動を考慮した、少数自由度格子ガスモデル及びランジュバンモデルを用い、様々なソフトマター系が普遍的に示すShear Thinning及び個別的に現れるShear Thickeningについて議論した。 細胎内において成される情報のやり取りや、代謝に伴う多様な振る舞いを理解するために、大自由度触媒反応ネットワーク系の定常状態の動的、続計的性質について議論した。特に細胎内での分子種数の多数性及び分子数の少数性が、生体内反応ネットワークに及ぼす影響を考察した。その結果、分子数が分子種数より少ない場合、多い場合と比べ、平均的な反応率が激減すること、また典型的な反応経路が大きく変化する事等を見出した。このような反応経路の変化は、大腸菌等を用いた実験においても確認されており、これらの結果が、細胞の示すスイッチ的な状態変化を理解する土で、大きな知見を与えると期待できる。(論文作成中)
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)