高精度CPT検証のための反水素原子を使ったレーザー分光実験
Project/Area Number |
04J10085
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
船越 亮 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 反水素 / 反物質 / 閉じ込め / 中性原子トラップ / ATHENA / ALPHA / 反水素原子 / 中性原子の閉じ込め手法 / CPT検証 / レーザー分光 / 低速反陽子減速器 / レーザー装置 / CPT対称性 / CERN研究所 / スイス / 分光 |
Research Abstract |
2002年に大量生成が可能となった反水素原子であるがその後の研究で当初の予想に反してその取り扱いが難しいことが分かりつつある。その解決策として2005年CERN研究所(スイス)の反陽子減速器(AD)にて反水素原子の「閉じ込め」を目指す新しい実験プロジェクトが立ち上げられた。反水素原子を一旦安定に閉じ込めれば多くの応用実験が可能となる。反水素原生成装置に八重局磁石を組み合わせ、八重局磁石が形成する磁場の勾配と原子の磁気モーメントとの相互作用を利用して反水素原子の閉じ込めを試みる。 特別研究員は閉じ込め実験の核の1つとなる装置の制御システムの開発を昨年度に引き続き行った。ハード面ではコンピュータと親和性が良くまた高い拡張性を維持しながらコンパクトにまとめることのできるPXIと呼ばれる最新規格の機器を採用、リアルタイムOSを搭載した組み込み式コンピュータとコンピュータ言語LabVIEWで構築されたソフトウェアとでPXI規格のFPGAを操作する。FPGAが処理する50ナノ秒の精度の時間分解能を持ったデジタル信号を各装置の同期に使用することで柔軟かつ時間に精密なシステム制御が可能となる。このシステムで反水素の部品である荷電粒子の数千段からなる制御パターンを、マイクロ秒の精度で数時間に渡って安定提供することに成功した。 2006年ADの稼働時期にはこれら新規装置を用いて実験を開始し重要な成果を挙げることが出来た。近年中性原子の閉じ込め用の八重局磁石の磁場の荷電粒子閉じ込め用の磁場への干渉を理由に上記閉じ込め手法自体に疑問を呈する論文が発表されていたが、八重局磁石の磁場下でも反粒子の長時間の閉じ込めに成功しこの問題を払拭した。特別研究員は特に開発した制御システムを駆使して様々な荷電粒子の取り扱いを実現し、反水素原子閉じ込めに向けた最初の一歩に貢献した。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)