Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
ナノテレメトリシステムを用いて計測実験を行うことが目標であった。細胞内のカルシウム濃度と神経電位を同時に記録可能なナノプローブを用い、カイコガやアメフラシの脳・神経からデータを取得した。この試作ナノプローブの機能は、細胞内に刺入、細胞内の神経電位の計測、通電刺激、薬物の注入、励起光の照射、蛍光検出である。カルシウム濃度は蛍光の光強度として計測することができる。このプローブは主にガラスマイクロピペットをベースとしている。プローブ先端の微小領域にある蛍光は、ガラスマイクロピペットのガラス部を導波路として伝わり、プローブ後方に位置するフォトンカウンタでその光強度を計測する。プラーで引き伸ばして作製したガラスマイクロピペット(先端径0.5um)を用いた場合、520nmの蛍光に対する検出領域は楕円球型をしており、断面が約1umの径で、プローブ刺入方向に約5umであった。検出領域の改善を試みた結果、ガラスマイクロピペットの外壁を金属薄膜でコートすることによりプローブの光学的特性が向上することが分かった。FDTDシミュレーションを用いて、数種類のMEMSで蒸着可能な金属を用いて膜厚や形状を変化させて検出領域の評価を行った。金属の中ではAlが効率よく、100nm程度の薄膜で十分な効果を発揮することが分かった。伝達する強度が他の金属よりも高く、また外乱となるプローブ周辺からの光の侵入を防ことができる。100nmのAlを蒸着したプローブの検出領域は、断面が約0.5umの径で、プローブ刺入方向に対して約0.6umに改善することを明らかにした。最適なパラメータを持つプローブを作製し、実際にカイコガの脳の深部からカルシウム濃度の計測を行うことに成功した。
All 2007 2006 2005
All Journal Article (9 results)
20th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS'07)
Pages: 207-210
The 10th International Conference on Miniaturized Systems for Chemistry and Life Sciences (μTAS2006)
Pages: 1402-1404
19th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS '06)
Pages: 550-553
ロボティクス・メカトロニクス講演会'06(ROBOMEC'06)
第20回生体・生理工学シンポジウム
Pages: 29-30
日本動物学会第76回大会
Pages: 151-151
Pages: 179-179
The 13th International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems (Transducers '05)
Pages: 1720-1723
Technical Digest of The 18th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems
Pages: 766-769