第一原理に基づく電子・原子系の反応過程に対する理論開発と応用
Project/Area Number |
04J10226
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
八木 清 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ポテンシャルエネルギー曲面 / 分子動力学 / 強光子場 |
Research Abstract |
分子は電子と原子核がクーロン力により相互作用し成立する系であるが,現代の理論化学は電子に関してはボルン・オッペンハイマー(BO)近似,すなわち核配置の変化に対し電子は常にその最適構造を達成しつつ追随するという近似に立脚してきた.電子と核の運動時間スケールの違いからBO近似はよく成立していて,核の運動は各時刻の核配置における電子エネルギーをポテンシャルとする描像が与えられる.つまり,核は断熱ポテンシャル曲面上を運動するものと考えるが,この概念は分光実験で得られるスペクトル等のデータと見事に対応する.本研究では量子化学計算を用いて多原子分子の高精度な断熱ポテンシャル曲面を生成する方法を提案し,分子振動スペクトルや反応速度定数を実験と比肩する精度で求めることに成功した. 一方,近年レーザー技術は目覚しく発展している.例えば,フェムト秒に続き,アト秒の超短パルスを生成し電子の動的挙動を直接観測する試みが進んでいる.また,分子中のクーロン場に匹敵する電場を有する高強度の光を発生させることが可能になり,そのような場(強光子場)に置かれた分子の特異な挙動が実験によりすでに多数報告されている.新たに発見されたこれらの現象は,従来の電子を静的にとらえる枠組みでは理解できない.本研究では,高塚グループで開発が進められてきた電子動力学法に,光による電場と分子の相互作用をあらわに取り入れた新しい手法を開発した.量子化学計算と組み合わせることで,強光子場に置ける多原子分子の挙動を追うことを可能になった.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)