Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
地球上の多くの生物は、体内に概日時計と呼ばれる時計機能をもっており、昼夜の環境の変化を予測し適応して生活している。概日時計の発振機構の本質は、時計遺伝子発現の正と負の自己フィードバック制御であるというモデルが提唱されている。しかし、振動がどのように発生するかがわかっても、環境からのシグナルが時計を環境の時刻に同調させ実際の生理学的リズムにいたるシグナルネットワークの全貌はまだほとんど解明されていない。本研究では、細胞システムを包括的に解明することで概日時計を理解し、再構築することをめざした。そのために二つのストラテジーで研究を行った。ひとつは、すでに同定されている概日遺伝子発現を発生さするために必要な4つの転写制御配列を全ての組み合わせで並べ、ルシフェラーゼにつないだ人工プロモーターライブラリを作製した。それを細胞に一過的に細胞に導入し発光リズムを測定し、エンハンサー配列の組み合わせと遺伝子発現リズムの位相の関与について解析を行った。また、ハイスループットな生物発光測定装置の開発をおこなった。二つ目には、概日時計ネットワークを構成する因子を同定するプロジェクトを試みた。培養細胞においてRNAiを行うことで、ハイスループットに概日時計関連因子のスクリーニングが可能であると期待できる。そのために、培養細胞における概日時計と哺乳類個体における概日時計の基本構造が共通であるかどうかを調べる必要があると考え、RNAiを用いた培養細胞における時計遺伝子のノックダウンとそれに伴う表現型測定系の開発を行った。その結果多くの時計遺伝子は培養細胞においても時計遺伝子として機能していることが確認できた
All 2006
All Journal Article (1 results)
Neuroscience Letters 401
Pages: 44-48