Project/Area Number |
04J10340
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉野 修 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 子宮内膜症 / 卵巣 / 酸化ストレス / マウスモデル / 炎症 / IL-1β / TNF-α / H_2O_2 / COX-2 / IL-6 / MAPK |
Research Abstract |
1)子宮内膜症は一種の慢性炎症性疾患と考えられており、特に、腹腔内における炎症性変化が本疾患の発症・進展に重要であることが多くの報告により明らかになってきている。これまでに、筆者は種々の子宮内膜症細胞に対する各種炎症性サイトカインの影響を、細胞内シグナル伝達系との関連を含め調べてきた。本年度は以下の点を明らかにした。まず、腹腔内の白血球系細泡が産生する各種プロテアーゼが子宮内膜症の増殖を促進しているという知見をふまえ、この作用を仲介する代表的なprotease-activated receptor 2(PAR2)のアロマターゼ産生に与える影響をみた。検討により、PAR2が子宮内膜症細胞においてアロマターゼ活性を亢進することを明らかにした(未発表データ)。局所で産生されるエストロゲンは子宮内膜症の進展に重要であるため、エストロゲン産生に重要な酵素であるアロマターゼとPAR2の関係が明らかとなったことは意義が大きい。2番目に炎症と子宮内膜症の関係をメタボリズムの観点から検討した。近年、メタボリックシンドロームが炎症と関連していることが明らかとなっており、子宮内膜症においてアディポネクチンの関与も示唆されている。アディポネクチンのターゲットでもあり、細胞のメタボリズムに中心的な役割を果たしているAMPキナーゼに着目し、AMPキナーゼの子宮内膜症における意義を検討した。AMPキナーゼのリガンドである、アディポネクチンおよびメトフォルミンが子宮内膜症細胞における炎症性サイトカンIL-8の産生を抑制することを明らかにした(Endocrinology 2006,147,3203-10および未発表データ) 2)不妊治療の需要の高まりに伴い、現行の治療法では妊娠に至らない患者に対し、新たな治療法が望まれる。特に初期卵胞発育を制御することが今後の不妊治療の鍵となる。近年、卵子から分泌されるサイトカインbone morphogenetic protein(BMP)-15がヒトにおいては初期卵胞発育に重要であり、またマウスにおいて排卵に重要な役目を果たしていることが、知られてきている。マウスおよびヒト卵巣および顆粒膜細胞を用いて、BMP-15の発現およびその機能に関して検討を行った。検討により、マウスにおいてBMP-15が排卵に重要な役割をはたすcycloxygenase-2の発現を誘導すること(Proc Natl Acad Sci U S A. 2006 103 10678-83)、およびヒト細胞においては初期卵胞発育に重要であるアクチビンを誘導することを明らかにした(未発表データ)。これらの検討により、排卵のみならず初期卵胞発育の場においてもサイトカインが重要な役割を担っていることが明らかとなった。
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