Project/Area Number |
04J10424
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山根 純佳 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | フェミニズム / ケア / ケアの倫理 |
Research Abstract |
本年度は、ケアと女性性の結びつきについて、理論的研究と、実証研究を並行しておこなった。理論的研究においては、ピエール・ブルデューの再生産論やハビトゥス概念を用いて、他者を思いやる女性のジェンダー・ハビトゥスによって性別分業秩序が生み出されていると分析する江原由美子の議論をめぐって批判的検討をおこなった。江原は、ジェンダー秩序という構造のもとで、女性はケア(他者への配慮)をハビトゥスとして内面化しており、そのハビトゥスが性別分業や性支配を構造化しているという再生産論を提示している。本研究では、江原のケア・ハビトゥスをめぐる議論は、学校における進学率の違いや、労働市場における性別分業をめぐる従来の実証分析と矛盾することを明らかにし、ケアを女性のハビトゥスとみなす江原の議論の問題点を明らかにした。性別分業はケア(配慮)というハビトゥスによって再生産されるのではなく、労働市場において、男性を中核的労働者としてとらえる規範から再生産されている。このことは本研究の実証研究においても証明された。ホームヘルパーに対する聞き取り調査において、職場や福祉労働市場における垂直性別分離が、男性が活動の主体、女性がケアする存在というジェンダー秩序によってではなく、家庭において男性が稼ぎ手である、という男女の規範や利用者ニーズによって生み出されている。 以上の研究成果は、「性別分業とハビトゥス」として雑誌『ソシオロゴス』に投稿、掲載が決定している。また実証研究に関してはソウル大学と東京大学のJoint Forum 2005においてCare-work and Gender : Care Insurance and the Entry of the Male Helpersとして発表した。
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