モーリス・オーリウの独仏法学の解釈と『公法原理第2版』における制度理論の基本構想
Project/Area Number |
04J10472
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Public law
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
小島 慎司 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 制度 / 合同行為 / 教育の自由 / オーリウ |
Research Abstract |
20世紀の初めのフランスの急進的な共和派政権が制定した1901年7月1日法(「結社法」)と1904年7月7日法は,当時のフランス社会に深刻な政治・文化対立を引き起こした。両法は,19世紀半ば以来公教育とともに教育の担い手として公認されてきた,カトリック修道会による私教育を全廃することを目指し,第一次大戦が勃発する1914年頃までこうした法規定は現実に実施され,多くのカトリック教育施設が解散させられたからである。モーリス・オーリウは『公法原理』第2版(実質的には1914年に執筆)の各所で幾度となくこの両法を批判している。私は,オーリウがいかなる理論構成で両法を批判し,その前提にはいかなる考え方が置かれていたのかという問いを切り口に設定して,冒頭の研究鞭を果たそうとしてきた。 冒頭のオーリウの批判は,1901年法,1904年法が「教育の自由」を侵害するという根拠に基づいている。オーリウは,私立学校を経営し,そこで教員となることを「教育の自由」と考え,両法が,カトリック修道会の構成員であることを私立学校の経営資格,教員資格の欠格事由と定めているため,「教育の自由」を侵していると批判したのである。オーリウは,この「教育の自由」を,国家機構に組み込まれることなく私人が公益的活動を行う自由(「市民的自由」と対比された「政治的自由」)の一種に数え,国家機構の活動に「附合し(adherer)」「協約する(collaborer)」自由であると構成する。そこで,冒頭の研究課題を,この「附合」「協約」という概念が,どのような外延を有し,他にはどのような選択肢があったのかという問題に組み替えることができた。この問題を解答する論文を執筆したのが,本年度の最大の研究成果であり,2006年3月末に東京大学法学政治学研究科に学位論文として提出する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
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