戦後日本の社会像の検討-「子ども」と「社会」の関係性イメージを切り口にして
Project/Area Number |
04J10545
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
元森 絵里子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 社会化 / 子ども観 / 社会理論 / 歴史社会学 / 社会意識 / 教育 / 親子関係 / 言説 / 社会像 / 作文 |
Research Abstract |
本研究は、「子ども」と「大人」双方の子ども観や社会像を表す言説を収集・分析することで、「社会」を一枚岩で実体的なものとみなし、「子ども」を「社会」の存続の鍵と見る社会観を再考し、新たな戦後日本社会の理論化を目指すものである。 1.(1)戦前を含む現代までの子どもの言説資料の収集 中でも中学校の生徒会誌の近年分が当初予定より多く収集でき、分析済み部分との比較や、同時代の毎日中学生新聞の投書欄との比較を厚みを持って行えた。成果として、「社会化の揺らぎ」「子ども期の消滅」などと言われる近年の子どもの変化について、「子ども」概念のずれとして描き直した(元森2005)。 1.(2)子ども言説の位相に関する方法論的な検討 女性研究やマイノリティ研究の理論、読者共同体や書くことについての理論を収集、検討すると同時に、(1)にあげた独自に収集した子どもの作文資料において多領域の文書の比較や戦前からの作文の変容を実証的に分析し、「子ども」を自由でかつ大人の理想の枠内に留まるべきものと見なすという、教育的想像力の誕生と変遷の記述作業を行っている。その一部は、第57回日本教育社会学会(2005年9月、幕張)で報告すると同時に、現在論文投稿を準備している。 2.近年の「子どもの権利」「子どもの自由」などに関する言説の収集とフィールドワーク 旧来型の「教え込み」による「子どもの社会化」へのオルターナティブとして提起されている、上記の概念に注目し、「権利」を語る言説のバリエーションを整理した。また、東京都世田谷区を中心とするプレーパーク活動へのフィールドワークを行い、「子ども」と「大人(社会化エージェント)」の非権力的な関係性の(不)可能性について分析を行った。成果は、現在論文として投稿中の他、現実的な子ども施策に反映させるべく同活動に関する調査プロジェクトと共同し、実態調査を行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)