メタン由来炭酸塩岩の堆積化学と地層温度測定からのメタンハイドレートの挙動の解明
Project/Area Number |
04J10682
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Geology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
武内 里香 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ガスハイドレート / 間隙水 / 地化学分析 / 地層温度解析 / 塩分異常 / メタンハイドレート |
Research Abstract |
2004年に行われた基礎試錐-熊野灘〜東海沖-のうち,東海沖(T6)・第二渥美海丘(A1)の2地点においては,海底面下から想定されるガスハイドレート安定領域下限(=BGHS)までの堆積物をすべて回収するフルコアリングが実施された.船上でコアの観察を行った後にサンプリング深度を決定し,その場で間隙水を搾取し,主要イオン分析,微量元素分析,酸素同位体分析を行った.東海沖・第二渥美海丘両サイトにおいて,間隙充填型の微細なガスハイドレートが砂層に選択的に発達していることが明らかになった.塩素の低塩分異常からガスハイドレートの飽和率は東海沖が60-80%,第二渥美海丘が20-80%程度であると計算された.また,これまでに発見されたことのない特異な塩素イオン濃度プロファイルを発見し,地化学データにガスハイドレートの挙動や付加体のテクトニクスを解明する情報が記録されていることが明らかになった.具体的には,海水準変動と隆起運動に付随してガスハイドレートが分解して大量のメタンが上昇し,上部砂層中に濃集してメタンハイドレート鉱床が形成されたこと,これまでの研究で成因が不明であったダブルBSRに関しては,BGHSの上下変動に付随して特殊な条件下(低いメタンフラックス+低い隆起速度)で作られるということが解明した.東海沖では約45m(ダブルBSRの間隔),第二渥美海丘での変動は約35m(zoneA3bの厚さ)のBGHSの下降が起きたと考えられる.BGHSの深度は温度・圧力に依存して変動するため,地質学的な要因として海水準変動・隆起運動・堆積速度を考慮し,最終氷期から現在にかけてのBGHS深度変動の計算を行った.その結果,東海沖は2mm/yr程度,第二渥美海丘はほとんど隆起していない場合,上記のようなBGHSの下降が生じることがわかった.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)