Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
内燃機関などにおいて噴霧の燃焼は広く用いられており,噴霧の燃焼に関する研究やその最も簡略なモデルである単一液滴の点火,燃焼に関する研究は,燃焼器の安全性,高効率化,環境汚染物質の低減などの観点から重要である.実際の燃焼器には音響振動が存在することから,本研究では音響振動が噴霧の基礎的なモデルである液滴の点火現象に与える影響について調べた.本研究では特に低周波数に注目して,音響場中での単一液滴の点火現象について,数値計算および対向ピストンを用いて生成した模擬的な音響場を用いた実験を行った.以下では,速度変動が存在せず圧力変動のみが存在する場合について記述するが,これは定在音響場における圧力振動の腹の状態に対応している. 数値計算においては,液滴中心を原点とする球対称1次元と仮定して,圧力変動のみが存在するとして計算を行った.雰囲気温度は850Kで一定であり,雰囲気圧力は2〜5bar,圧力変動は最大で200mbar,音響周波数は2.5〜5Hzである.燃料は正ヘプタンであり,12stepの化学反応モデルを用いた.計算結果から,圧力変動が存在すると点火遅れ時間は一般的には減少したが,2barの場合においては,初期位相によって点火遅れが増大する場合と減少する場合とか存在し,点火遅れ後期において加圧されている場合は点火遅れ時間が短くなり,減圧される場合は点火時間が長くなる傾向が見て取れた.これは点火遅れ時間の後期において,圧力振動による加減圧が化学反応に影響を及ぼしているためと考えられる.点火遅れの変化は本研究のパラメーターの範囲では最大で5パーセント程度であった.同様なパラメーターにおいて,上述の模擬的な音響場中における単一液滴の点火実験を行ったが,圧力変動が点火遅れに及ぼす顕著な影響は観察されなかった.これは雰囲気温度が比較的高温のため,点火遅れ時間が短いためと予想された.
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