Project/Area Number |
04J10928
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
田代 省平 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 分子認識 / ペプチド / チューブ / 自己集合 / ポルフィリン / ヘリックス / ホスト-ゲスト化学 / NMR |
Research Abstract |
生体内におけるペプチド鎖の認識は、オリゴペプチドを介した細胞内外での情報伝達や、タンパク-タンパク間相互作用など、生命活動における極めて重要な役割を果たしている。ペプチド鎖は種々のアミノ酸残基からなり、さらにその配列によつて様々な配座をとり得る。そのため、ペプチド配列を選択的に認識するとともに、その立体配座を制御することが実用的な観点から重要であると考えられる。我々は前年度までの研究で、配位結合性チューブ状錯体および立方八面体かご型錯体が、各種トリペプチドを配列選択的に認識することを見いだしている。そこで本年度は、配位結合性錯体のチューブ状内部空間内にペプチド鎖を包接することにより、その立体配座を制御することに成功した。 本研究で用いたチューブ状錯体は、ポルフィリン多座配位子3分子とシス位を保護したパラジウム錯体6分子から自己集合する。^1H NMRよりポルフィリンチューブ錯体は、アラニンのみからなるトリペプチド(Ala-Ala-Ala配列)を効率良く包接することが分かった。さらにNMRのNOESY測定による詳細な解析を行ったところ、Ala-Ala-Ala配列の立体配座が一義的に規制されていることが示唆された。一方、より長鎖のペプチドを包接するため、さらに大きな筒状内部空間を有する中空錯体を用いて検討を行った。両末端にトリプトファン残基を有する9残基のペプチド鎖(Trp-Ala-Glu-Ala-Ala-Ala-Glu-Ala-Trp配列)と、お椀型の中空構造を有するボウル型錯体を水中で混合したところ、2分子のボウル型錯体が両末端のトリプトファン残基を認識することがNMR滴定およびDOSY測定から示唆された。その際、9残基のペプチド鎖に由来する全ての^1H NMRシグナルが高磁場シフトしていたことから、ペプチド鎖はボウル型錯体2分子から形成される筒状内部空間内にほぼ完全に取り込まれていると考えられる。さらに各種2次元NMRおよびNOESY測定から、筒状空間内に取り込まれたペプチド鎖の立体配座を検討したところ、9残基のペプチドはヘリカル構造を形成していることが示唆された。9残基のペプチド単独では水中でランダムな配座をとっているため、筒状内部空間に包接されることで本来不利なヘリカル構造が安定化されたと考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)