単細胞接合藻ミカヅキモの性フェロモンとその受容体を指標とした種分化機構の解析
Project/Area Number |
04J10982
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biodiversity/Systematics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土金 勇樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 性フェロモン / ミカヅキモ / 生殖隔離 / 種分化 |
Research Abstract |
単細胞接合藻ミカヅキモ(Closterium peracerosum-strigosum-littorale complex)には、+型、-型と呼ばれる性を持つヘテロタリック株が知られており、生殖的に隔離された交配群の存在が明らかになっている。本研究では、ミカヅキモにおいて、性フェロモンが生殖隔離の原因因子であることを想定し、これら交配群を用いる事で、ミカヅキモの生殖隔離の分子基盤を解明し、性フェロモンがミカヅキモの種分化と多様性に果たす役割について考察を行った。 SSU rDNAにおける1506 group Iイントロンを用いて各交配群の系統関係を推定したところ、不完全な生殖隔離が観察される交配群は近い関係にあり、完全な隔離の観察される交配群との関係は遠いものであることが判明した。また生理実験により、生殖隔離の程度は、性フェロモンの活性と相関する事を明らかにした。更に、それぞれの交配群における性フェロモン遺伝子の単離を行なったところ、不完全な生殖隔離が観察される交配群の間で高い相同性が得られた。また、それらと比較して完全な生殖隔離の観察される交配群の相同性は低いものであった。一方、接合様式の異なるホモタリック株では、ヘテロタリック株に近縁であるにも関わらず、その培養培地中には他の交配群に対する性フェロモンの活性は観察されなかった。しかしながら、その性フェロモン遺伝子においてはヘテロタリックのものとの間に比較的高い相同性が見られた。 以上の結果から、生殖隔離を誘起する原因因子の一つが、性フェロモンであることが示唆された。また、ホモタリック株や、生殖隔離した交配群の性フェロモンにおける特有のアミノ酸変異が活性の有無に重要であり、この様な変異は地理的な隔離、ホモタリック化など、何らかの要因でそれぞれの交配群間の遺伝子交流が失われた事によるものと考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)