ヒトの多関節動作システムにおける中枢神経系の身体特性把握メカニズム
Project/Area Number |
04J10985
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical education
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
平島 雅也 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 神経系 / 身体特性 / トルク / 運動計画 / 熟練動作 / 関節角度 / 動力学特性 / 動作速度 / 三次元動作 / 熟練度 / 関節 |
Research Abstract |
「身体特性を把握し利用する能力」は、脳・神経系の極めて重要な能力の一つである。特に各身体部位の長さや慣性などの動力学的特性の脳内表現は、所望の身体運動を正確に遂行するために重要であり、その表現の獲得及び制御方略に大きな関心が集まっている。動力学特性の脳内表現を直接観察する方法はないが、ヒトの身体運動を解析し、各身体部位の相互作用により生じる「相互作用トルク」を調べることにより、間接的に観察することが可能である。 これまでヒトの運動制御研究では、ヒトがある点からある点に向かって手を伸ばす際、比較的直線に近い軌跡を描き、また動作速度が変わった場合においても、その軌跡や関節角度はあまり変化しないことが知られている。しかしながら近年、全身を利用して行うリーチング動作や投球動作では、この関節角度不変方略は用いられないことが明らかとなった。この理由として、ヒトの神経系は動作速度に依存して大きく変化する相互作用トルクを考慮した方略を用いることが考えられる。本研究は、この仮説を検証するため、野球熟練者を被験者とし、全身を用いて三種類の速度で野球ボールを投げさせ、その動作を解析した。解析法としては、平成16年度から17年度にかけて開発したトルク非直交分解法(Journal of Biomechanicsに受理済み)を用いた。 その結果、すべての動作速度において、熟練被験者は肩関節内旋、肘関節伸展、手関節屈曲を加速させるために相互作用トルクを利用すること、及び、動作速度を増加させるために相互作用トルクを増加させる方略を用いることが明らかとなった。以上の結果は、ヒト中枢神経系の運動計画プロセスでは、関節角度が先に与えられるわけではなく、動作の目的と身体動力学的特性が考慮されて上で、運動が生成されることを示唆している。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)