ショウジョウバエ神経筋結合系を用いたシナプス形成初期過程の解析
Project/Area Number |
04J11006
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
高坂 洋史 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | シナプス形成 / 神経筋結合 / ライブイメージング / ショウジョウバエ / フィロポディア / 細胞接着分子 / 神経伝達物質受容体 / 標的認識 / イメージング |
Research Abstract |
神経回路網において、細胞と細胞はシナプスという接着構造を介して情報のやりとりをしている。シナプスの形成、維持には、シナプス前細胞、後細胞それぞれに発現する細胞接着分子による接着が重要であると考えられている。この知見は培養細胞(in vitro)を用いた研究から得られたのだが、実際に生体内(in vivo)でシナプス形成がどのように進むかについては、不明である。本研究課題では、ショウジョウバエ神経筋結合系を用いてin vivoでのシナプス形成過程の可視化を行った。また、シナプス後細胞で発現していることが知られている、細胞接着分子ファシクリン2(Fas2)と分子局在を担う蛋白質ディスクスラージ(Dlg)のin vivoでの分布を蛍光タンパク質YFPとの融合タンパク質を用いて解析した。Fas2-YFP,Dlg-YFPはともに成長円錐と筋肉細胞が接触する時期に後シナプス部に局在した。Fas2-YFPは、fas2欠失体においてシナプス部に局在せず、さらにFas2の細胞外領域がシナプス部への集積に十分であったことから、前細胞のFas2がシナプス後細胞のFas2の集積を引き起こすことが強く示唆された。また、fas2機能欠失胚においてDlg-YFPの局在および、グルタミン酸受容体の分布に異常がみられた。これらの結果は、シナプス形成過程において、前細胞のFas2が接着を介して後細胞のFas2の集積を誘導し、さらにDlgやグルタミン酸受容体などのシナプス構造に重要な分子の分布を制御することを示唆する。これまでin vivoでのシナプス形成初期過程の研究は困難であったが、本研究はin vivoでの接着分子の役割を初めて解明するものとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)