Project/Area Number |
04J11032
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮道 和成 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 嗅覚 / 嗅覚受容体 / 細胞接着分子 / Kirrel / 神経活動 / 化学親和説 / トランスジェニックマウス / 軸索投射 / 嗅上皮 / 嗅覚受容 / 嗅球 / 匂い地図 / in situ hybridization / ゾーン |
Research Abstract |
本研究では哺乳類の高度な匂い識別を支える嗅球における匂い情報の二次元展開、特にその基礎となる糸球形成の分子基盤について解析した。匂い受容を担当する個々の嗅細胞は、1000種類を超える嗅覚受容体(odorant receptor : OR)遺伝子の中から一種類を相互排他的に発現しており、同種のORを発現する嗅細胞は嗅球の特定の位置に軸索を収斂させ糸球体を形成する。これは発現する嗅覚受容体の種類に依存して嗅細胞の軸索が分類され、整然とした神経回路を形成する過程であり、脳における特異的な神経接続の機構を研究する上で優れたモデルと考えられる。本研究では、ORの種類に相関して発現制御されるような細胞接着分子が存在するのかどうかを検証した。この目的の為に殆どの嗅細胞が特定のORを発現するようなトランスジェニックマウスを作成し、その嗅上皮における細胞接着分子の発現プロファイルに偏りがないかを解析した。その結果、免疫グロブリンファミリーに属する細胞接着分子Kirrel-2とKirrel-3の転写レベルでの発現量がORの種類に依存して制御されていることが示された。興味深いことに、Kirrel-2とKirrel-3の転写量はそれぞれ相補的な関係にあり、一方の発現量が高い細胞では他方の発現量は低く制御されていた。神経活動の発生が抑制された変異体マウスの解析からOR分子を介する神経活動が、細胞接着分子の転写量の制御に関与することが明らかとなった。更にトランスジェニックマウスを用いた強制発現実験から、Kirrel-2とKirrel-3は共に嗅細胞の軸索を束ねる過程に関与することが示唆された。これらの結果を踏まえて私は、神経活動が細胞接着分子の発現制御を介して軸索の化学親和性(chemoaffinity)の制御に関与し、これがORの種類に依存した軸索の分類に貢献しているのではないかと提唱したい。
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