ゴンズイPlotosuslineatusの群認識物質の同定と機能解析
Project/Area Number |
04J11072
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Animal physiology/Animal behavior
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
松村 幸一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 動物認知 / 自己組織化 / 社会集団 / 情報伝達物質 / 群 / 化学感覚 / 行動 / ホスファチジルコリン |
Research Abstract |
群認識物質の解明は認識システムや群間相互作用の解明の手掛かりとなり、さらに、生物を模倣した分散型自律システムへの応用が期待できる。そこで本研究ではゴンズイの群認識物質を解明することを目的とした。 1 生物試験法の開発、活性物質の単離、構造決定 活性物質に対する行動特性を少量の試料を用いて検出する手法の開発を目指した。自群固体の体表粘液を寒天に混ぜ、それに対する行動の観察を定量化した。次に、本試験法に基づき、活性物質の単離を試み、活性画分を得た。この画分に含まれる化合物がホスファチジルコリン(PC)の混合物であることがわかった。 2 PC分子種による群認識機構の解析 活性画分(以降PCF)と粘液の活性を濃度応答実験で比較したところ、PCFは、体表粘液と同等の濃度依存性を示した。次に、活性画分をホスフォリパーゼA2で処理したところ活性が消失したため、PCがPCF中の活性本体であることが確実になった。ついで、PCFが自他の群の識別に関わるか否かを調べた結果、PCFが群の識別に関わることが明らかになった。さらに、活性を保持するには、少なくとも二種類のPC分子種が必要であることがわかった。つぎに、PCFに合成PCを添加してPCFのPC分子種の組成を意図的に変え、活性を調べた。その結果、活性が激減した。すなわち、PC分子種の組成が群認識に関与することが示された。 3 PC分子種の組成分析と多変量解析 群ごとのPC分子種の組成を調べるために、定量分析法を確立し、いずれの群のPCも、多数のPC分子種から構成される複雑な組成を示した。ついで、群間での組成の違いを調べるために主成分分析と相関係数(相関係数行列)による解析を行った。この結果、群のPCパターンによる分離が明瞭に確認できた。すなわち、PC分子種の組成が群により異なることを示した。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)