Project/Area Number |
04J11092
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied microbiology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹下 典男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | キチン合成酵素 / ミオシン / Aspergillus nidulans / 先端生長 / 隔壁 / 極性 / CsmA / CsmB / アクチン / Aspergillus |
Research Abstract |
糸状菌の先端生長には、細胞壁キチンの極性的な合成が必須であり、アクチン細胞骨格は菌糸の極性を決定するうえで重要な役割を担っている。Aspergillus nidulansには、N末端側にミオシンと相同性があるドメイン(ミオシン様ドメイン)を持つキチン合成酵素をコードするcsmA、csmBの二種類の遺伝子が存在する。このタイプのキチン合成酵素のオルソログは、糸状菌または菌糸状に生育する菌からのみ単離されており、酵母には存在しないことから、これらが菌糸型の形態形成に特有の機能を持つことが予想される。これまでに、csmA産物(CsmA)が菌糸先端や隔壁形成部位のアクチン近傍に局在化し、その正常な局在化と機能にはミオシン様ドメインとアクチンとの結合が重要であることを示唆した。そして、csmB破壊株がcsmA破壊株と類似の表現型を示すこと、csmAとcsmBの二重破壊が合成致死性を示すことを明らかにした。そこで、csmBが破壊され、csmAの発現が制御可能な株を作製した。この株をcsmAの発現を抑制する条件で生育させたところ、著しい生育の遅れが見られ、単独破壊株で見られる表現型の他に先端生長に重篤な異常が見られた。 今年度、csmAとcsmBの機能的相関関係をタンパク質レベルで更に解析を進めた。CsmBの機能をタンパク質レベルで検討するため、そのC末端に3コピーのFLAGタグが付加されほぼ正常な機能を有するCsmB-FLAGを野生型CsmB代わりに発現する株を作製した。そして、CsmB-FLAGが菌糸先端と隔壁形成部位においてアクチン近傍に局在化することを示し、CsmA-HAとも近接した領域に局在化することを示した。更に、CsmBのミオシン様ドメインとF-アクチンとの結合をin vitroで示した。これらのことから、CsmBもCsmAと同様にミオシン様ドメインとアクチンの結合を介して局在化し極性的な細胞壁合成に関わること、csmAとcsmBの条件的二重変異株の表現型を考え合わせると、その両者の菌糸先端における機能が正常な先端生長に必須であることが推定された。
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