ATPアナログ認識可能な変異型MAPキナーゼを利用した新規リン酸化基質の探索
Project/Area Number |
04J11176
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
北川 大樹 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | JNK / SAPK / 変異型キナーゼ / 標的基質 / ATPアナログ |
Research Abstract |
哺乳類動物細胞には細胞増殖や癌化に関与するMAPキナーゼ(ERK)に加え、ストレス応答性MAPキナーゼであるJNK/SAPK及びp38が存在し、様々なストレス刺激に応答し、アポトーシス誘導や生存維持に深く関与することが知られている。しかしながら、これらのMAPキナーゼが各局面においてどの様な分子のリン酸化を通じて生理現象を制御しているかは不明のままである。そこで、1)MAPキナーゼファミリーの標的分子を同定するための新規スクリーニング法を開発すること、2)固有の現象におけるMAPキナーゼの標的基質を解明することにより、MAPキナーゼ活性化の生理的意義を明確にすることを目的として研究を進めた。一般に細胞抽出液内に存在するキナーゼの標的分子を同定することは困難な場合が多い。その原因の一つは、共存する多種多様のキナーゼが一斉にリン酸化反応を行い、目的のリン酸化反応を覆い隠してしまうことにある。そこで、アイソトープラベルされた非天然型ATPアナログ([γ-^<32>P]-N^6-cyclohexyl ATP)の合成と、これをリン酸化反応の基質として利用可能な点変異キナーゼを作製することによって、変異キナーゼだけが標的分子にアイソトープラベルされたγ位のリン酸基を転移できるような実験系の開発を行った。放射標識したATPアナログはN^6-cyclohexyl adenosineを出発材料に、有機合成後に酵素反応を利用して調製した。また、3次元X線構造解析の結果をもとにしたキナーゼ分子内のATPポケットの解析から、点変異JNK/SAPKを作製した。JNK/SAPKの基質として知られるGST-c-Junのリン酸化能を指標に、活性化された野生型もしくは変異型JNK/SAPKがATPアナログを利用可能かどうか検討したところ、変異型JNK/SAPKのみが利用可能であった。この結果からATPアナログを認識できるのは変異型キナーゼのみであることが示され、この実験系の妥当性を確認することができた。さらに、実際にこの実験系を用いてマウス肝臓核画分中から40-50kDa付近に分子量を持つJNK/SAPKのリン酸化基質を3分子検出することに成功している。現在、これらの分子のマウス肝臓核画分からの精製が進行中である。さらに、無細胞系に変異型キナーゼとATPアナログを導入することによる、リン酸化標的基質の新規探索法の確立も同時に進行中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)