低分子量Gタンパク質ARF6を介した小胞輸送および細胞運動制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
04J11189
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
松川 純 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 細胞生物学 / Hepatocyte growth factor / ADP-ribosylation factor 6 / 細胞分散 |
Research Abstract |
ARF6はRas familyに属する低分子量Gタンパク質の一つであり、主に上皮細胞の細胞内輸送を順行性あるいは逆行性に調節することが知られているが、これまではARF6の過剰発現系での輸送現象をモニターするといった現象論的側面からその機能を調べたものが多く、直接のエフェクター分子の探索のような、ARF6による輸送メカニズムの詳細な解析はほとんど行われていなかった。 そこで本研究ではARF6による細胞内輸送メカニズムを解明するため、two-hybrid screeningによりARF6の新規エフェクター分子を探索した結果、CUL1(E3 ubiquitin ligaseの構成タンパク)がARF6と結合することを見いだした。CUL1を含むE3 ligaseは細胞間接着分子β-cateninをtargetにできることから、私はARF6-CUL1複合体が形成された場合、それが生理的に機能し得る実験系として、ガン細胞の転移モデルであるMDCK細胞の細胞分散に注目した。高密度に培養したMDCK細胞をHGFで刺激するとβ-cateninはユビキチン化の後に分解され、細胞の遊走性が高まることが知られている。そこでMDCK細胞をHGFで刺激したところ、内因性のARF6とCUL1は刺激依存的に複合体を形成した。免疫組織化学により、未刺激で細胞質に存在していたARF6は刺激によってplasma membraneに移行しβ-cateninと共局在すること、およびCUL1は刺激依存的に核から細胞質へと移行し、一部がARF6と共存することが明らかになった。MDCK細胞にARF6およびその活性化体を発現させてHGF刺激を行うと、コントロールに比べて強いユビキチン化が観察された。以上よりARF6-CUL1複合体はβ-cateninのユビキチン化を促すことで細胞の遊走性を制御することが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
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