レーザー照射によるサルのV1-LGNフィードバック経路のみの選択的破壊技術の確立
Project/Area Number |
04J11195
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | Kyoto University (2005) The University of Tokyo (2004) |
Research Fellow |
纐纈 大輔 京都大学, 霊長類研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | レーザー / 逆行性輸送物質 / クロリン / 選択的破壊 / 一重項酸素 / 1次視覚野 / 外側膝状体 / 光応答 / ペプチド結合 |
Research Abstract |
脳の一部が破壊されたときに見られる脳機能の障害からその破壊された脳部位の機能が推定でき、外科的手術などにより脳部位の除去などが行われてきたが、これらの手法ではある領域に存在する神経細胞全部を破壊してしまい、ある特定の種類の神経細胞だけを選んで破壊することは不可能である。本研究では、レーザーを用いることで、ある投射関係にある神経細胞のみを選択的に破壊できるこれまでにない画期的な脳障害モデルの確立を試みている。方法としてはまず光活性物質であるクロリンをビーズ(逆行性輸送物質)に結合させ、これを脳内に注入した。このビーズークロリン複合体は軸索末端のシナプスから取り込まれ、逆行性輸送により神経細胞の細胞体へと運ばれる。そして逆行性輸送される先の部位にレーザーを照射した。するとクロリンが活性化して一重項酸素を産生して神経細胞死を誘導する。 昨年度にマウスでモデルを確立したので、本年度はサルでこの技術の導入を目指し、V1(1次視覚野)からLGN(外側膝状体)へフィードバック投射するニューロンの選択的破壊を試みた。サルの実験ではビーズ-クロリンが目的の部位であるLGNに的確に注入される必要がある。そこで注入と細胞活動の測定が同時に行える注入針を作製し、光応答を測定することでLGNを正確に同定し、ビーズ-クロリンを注入する技術を確立した。そして2週間後V1にレーザーを照射した。さらに4週間後に脳組織サンプルを作製したところ、ビーズ-クロリンがLGNへ的確に注入されていることを確認した。またV1にも逆行性輸送されていた。選択的破壊については脳サンプルの顕微鏡観察により確認を行っているところである。 この技術が完全なものとなれば、これまで詳細には解明されていないV1からLGNへのフィードバック経路が視覚情報処理においてどのような役割を担っているのか明らかになるであろう。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)