一般相対論的数値流体シミュレーションによるブラックホールの形成
Project/Area Number |
04J11308
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関口 雄一郎 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ブラックホール / ガンマ線バースト / 一般相対性理論 / 重力崩壊 / 中性子星 / 重力波 / 磁気流体 |
Research Abstract |
本年度の研究では、以下の二つの研究に従事した。 1.質量の高速回転星の中心コアが、その進化の最後に重力崩壊し、ブラックホールとそれを取り巻くドーナッツ状の降着円盤が形成される過程の解明。 天体のコアの質量が十分に大きい場合、その重力崩壊の結果直ちにブラックホールが形成されると考えられる。その後大きな角運動量を持つ物質がブラックホールへと落ち込むにつれて、ブラックホールの周りに降着円盤を形成する。このような系は、γ線バーストと呼ばれる高エネルギー天体現象の中心動力源として有力視されており、その形成過程の解明は天体物理学における重要な問題である。 ブラックホール形成を伴うこの過程の解明のためには、一般相対性理論に基づく重力の取り扱いが必要不可欠である。また極めて動的かつ非線形な現象であるため、一般相対論的数値流体シミュレーションを行って、ブラックホールと降着円盤からなる系の形成過程を解明することを目的とした。 シミュレーションの結果、ブラックホール形成後、降着円盤において衝撃波が形成され、伝播するという、従来知られていなかった現象を明らかにした。衝撃波による加熱効果により物質の温度が大きく上昇するため、多量のニュートリノ放射が期待され、γ線バーストにとって大変好都合な状況が達成されることが明らかとなった。 2.現実的な有限温度の状態方程式、及び電子捕獲反応、ニュートリノ冷却などの微視的物理過程を組み込んだ数値計算コードの開発。 回転星の重力崩壊は、現在知られている4種類の力すべてが重要な役割を果たす。一般相対性理論(重力)、高密度核物理(電磁気力、強い相互作用)、電子捕獲反応、ニュートリノ冷却(弱い相互作用)特に、崩壊するコアのダイナミクスは電子捕獲反応とニュートリノの放射によって駆動されるため、崩壊過程のより定量的な解明のためには、現実的な有限温度の高密度状態方程式を組み込み、温度、密度、レプトン数密度に応じて、電子捕獲反応及びニュートリノ放射反応を考慮に入れたシミュレーションを行う必要がある。これらを考慮に入れた計算は、ニュートン理論の枠組みではなされてきたが、一般相対論の枠組みでは行われていない。 本研究では、一般相対論の枠組みで、現実的な有限温度の状態方程式、及び電子捕獲反応、ニュートリノ冷却などの微視的物理過程を組み込んだ数値計算コードを開発し、そのテストを行った。今後さまざまな天体現象に適用していく予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)