大都市大気境界層内での人為起源物質の化学的変容過程と自由対流圏への輸送過程
Project/Area Number |
04J11319
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
大島 長 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | エアロゾル / 大気化学 / 黒色炭素粒子 / 物質輸送 / 雲 / 汚染大気 / 気象 / 大気環境 / 積雲対流活動 / オゾン / 長距離輸送 |
Research Abstract |
本研究の目的は、東アジアにおけるオキシダント・エアロゾルの分布やその動態を領域3次元化学輸送モデルを用いて明らかにすることである。特に現在の気候モデルの鍵となるブラックカーボン(BC、黒色炭素粒子)に着目した輸送過程の研究を行ってきている。従来の数値モデルを用いた研究では、ごく簡易的にしか表現されていなかったBCが非水溶性粒子から水溶性粒子へと変換される過程(aging過程)を、本研究では、エアロゾルの混合状態や粒径を考慮した物理化学的な表現を取り入れ、新しい数値モデルの開発を実施した。本研究では、この開発したモデルを用いて、従来の研究よりも精度よく、BC等の時空間分布、及びその輸送過程を定量的に理解することに重点をおいている。 本年度は、これまでに考案したエアロゾル表現を用いて、新しいBCのaging過程のスキームを取り入れたボックスモデルを作成した。さらに、気体がエアロゾル粒子へ凝縮する過程をモデルで表現する上で、従来の手法よりも、より正確に計算する手法を新たにモデルに取り入れた。また、本モデルの計算結果を地上観測や航空機観測により得られた実大気中の観測結果と比較・検証をすることで、本モデルの妥当性や精度の確認を行った。本モデルを用いて、本研究では、人為起源BCのaging過程がどのような要因によって支配されているかを明らかとし、汚染大気中での硝酸塩エアロゾルの重要性や相対湿度の変化によりagingの進行速度が大きく変化するという新しい知見が得られた。またBCのaging過程を詳細に計算できる本モデルの計算結果を用いて、グローバルモデルで表現可能かつ本質を損なわない、BCのaging過程の新しい簡易的なパラメタリゼーションの表現の提言を行ってきた。本年度はこれらの研究結果を日本気象学会等で発表を行った。現在、これらの研究成果を学術論文としてまとめており、投稿準備中である。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)