高感度スペースガンマ線検出器によるブラックホールからの非熱的放射の解明
Project/Area Number |
04J11353
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
田中 孝明 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | X線天文学 / ガンマ線天文学 / X線検出器 / ガンマ線検出器 / 半導体検出器 / すざく衛星 / ブラックホール / 超新星残骸 / コンプトンカメラ / CdTe検出器 |
Research Abstract |
すざく衛星搭載の硬X線検出器(HXD)を用いてブラックホールを含めた様々な天体からの非熱的放射を解明するには、検出器の軌道上較正が重要となる。そこで、私はHXDの主検出器である計64個のシリコン検出器のエネルギー較正と応答関数の構築を行なった。エネルギー較正においては、HXDの検出器内部で発生する蛍光X線によるイベントを工夫して抽出し、その輝線構造をエネルギーの指標とすることで、打ち上げ以来の課題となっていた軌道上でのエネルギー較正を正確に行なうことができた。応答関数は、検出器によって得られた生のスペクトルを、天体からの放射スペクトルに戻すために必要不可欠なものである。私は、較正天体の観測データとモンテカルロシミュレータによるデータを比較しながら、シミュレータ内でのシリコン検出器の空乏層の厚さなどを最適化することで、観測データを高い精度で再現した。そして、シミュレータの出力をもとに応答関数を作製した。私が行なったエネルギー較正の結果や作製した応答関数は、世界の研究者に配布されデータ解析に用いられている。 軌道上較正の後、ブラックホールをはじめとする天体の観測データの解析を行なった。上記の較正によって、さまざまな天体の非熱的放射のパラメータを正確に求めることができた。特に超新星残骸RX J1713.7-3946に関しては、超新星残骸のあらゆる位置から40keV付近にまで伸びる非熱的放射を検出し、その放射にカットオフがあることを明確に示すことに成功した。さらに、すざく衛星による結果と電波・TeVガンマ線のデータを組み合わせることで、この超新星残骸で起こっていると考えられる宇宙線加速の理解を進めることができた。 次世代の高感度観測を目指したコンプトンカメラの開発については、気球搭載用検出器のセンサー部分をほぼ完成させ、天体観測実現の目処をつけた。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)